このたび晴れてキンドル連携を開始したブクログのパブーさんからのおしらせ:
【例:販売価格1,000円の電子書籍での場合】
パブー:700円(販売価格の70%)
Kindleストア:350円(販売価格の35%)
koboイーブックストア:500円(販売価格の50%)
上記はパブーさんから著者へ払われる「印税」です。つまり1000円の電子書籍が一冊売れたとして、パブーなら300円が、kobo経由なら500円が、Kindleストア経由なら650円が、販売手数料として天引きされます。※この点については「10%+60円」のダウンロードマーケットさんの方がずっといいね!
モノを作り出さない流通業者のマージン65%はなかなかの料率です。『ハリーポッター』ブームのとき、書店さんはマージン35%の買い切り契約を受けたようです。売れなかった場合に不良在庫になるリスク込みでの35%です。電子書籍の店舗には当然ですが返本リスクはありません。
通常フライの雑誌社では、直販の場合、書籍本体価格の70%/買いきり制で、販売店様へ本を卸しています。返本をご遠慮いただくのは出版業界では珍しいことですが、少部数の版元としてはぎりぎりのラインです。ていうか昨今はそれでも維持できません。
70%/買いきりなら、(米帝Kindleの暴利っぷりは別として)電子書店の料率と変わらないじゃないか、だって印刷経費も発送経費もかかんないんだし、印刷部数だってかんけいないし、もっと払ったっていいくらいだ。ワッハッハッだろそれって、と一瞬思ったとしたらそれは無理筋というものです。
なぜならうちは儲けとか料率とかとは関係ない次元で〝紙の印刷物をつくりたい〟という愚鈍な願望を持っているからです。痩せても枯れても印刷物。時代遅れの釣り師でありたい。最後の読者の一人までも。もうね、我ながらばかかって感じですけど。
「Kindleダイレクト・パブリッシング」は発信源のアナーキー化を促す意味でよろしいんじゃないかと思います。ただ版元として誰かの出版代行をするには、amazon様の暴利・暴虐っぷりが激しすぎて、「Kindleダイレクト・パブリッシング」に出版社の介在する余地はありません。データをのっけとくだけで流通業者が65%持ってくってなによそれ。(あ、つい本音が)
以上、フライの雑誌社は電子書籍でワッハッハッの夢を見られないという、あまりにも自明の結論でした。つまんないなあ。