フライフィッシャーの家。

先週、信州に暮らす釣り友だちの家へお招ばれをうけた。以前から誘われていたところ、今回はじめて訪問させていただいた。さすが標高1000メートルの高原は、下界とは流れる風の匂いが違う。殺人的猛暑の浅川とくらべるとまるで別のほしのように快適な午後だった。

ベランダのウッドデッキで、友人のライフスタイルを反映して舶来的に洗練されたバーベキューグリルのランチをいただいた。自分はふだん七輪でハタハタとネギを焼いているひとである。地べたにヤンキー座りして煙にごほごほむせながら七輪を囲むのもいいけど、こんどはテーブルと椅子で英国風のおしゃれなランチを気張ってみようかな。

そんな友人宅の玄関に興味深いサインを見つけたので以下紹介。

#8くらいの高番手のフライロッドが壁付けになって、そこへ長靴とベストとジャケットがかかってるようにみえたが、
近づいて見ると、フライロッドはベンチに横置き。よくよく考えれば壁面に掛けたフライロッドに、長靴ほかの重いものあれこれがぶら下がろうはずもない。
バンブーでもグラファイトでもグラスファイバーでもなく、ロートアイアン製(鍛造)のフライロッドとフライリールだった。熱した鉄を叩きだしたフライタックルとは意表をつかれた。リールのハンドルにも物を掛けられる。軽やかに表現されているフライラインがフライフィッシャー的にはうれしい。
釣り具掛けとして実用にもなるこのユニークなアートサインは、地元軽井沢に暮らすステンドグラスとロートアイアンの作家・坂本健さんの作品(写真クリックで坂本さんのウェブサイト)。ご近所では「ほら、あの玄関に鉄の釣り竿のあるおうちよ。」「ああ、はいはい。」なんて会話がなされているのだろうか。
家のアプローチから玄関とサインを望む。釣りから帰ってきて自分の家のこんな風景に出迎えられたら、シアワセである。