ワカサギを食べたい方は自分で釣ってください。

ワカサギが6年ぶりですごく釣れているとうわさの河口湖。昨日は浅川(あざがわ)地区の湖波ボートさんからワカサギ出船。半日やって400匹でした。ちょっとうれしかった。ほくほくしながら夕方に編集部へ帰ってくると、書店取次の地方・小出版流通センターさんから、バックナンバーや単行本『バンブーロッド教書』『新装版水生昆虫アルバム』『文豪たちの釣旅』などへの超大量注文が入っていた。おかげさまで最近様子がいいです。だものでつい調子に乗って、フライの雑誌社のFacebookとやらに、ワカサギ釣りとワカサギじゅうたんの写真を掲載し、

今日は半日やって400匹でした。ご注文くださっている皆様すみません。明日発送します。

と自慢した。実際、注文品の発送日は翌日になってしまうので、申し訳ないなと思った。

すると、待ってましたとばかりに

ワカサギ発送して。クール宅急便で!

注文って、ワカサギですか?(//▽//)

とかいう斜め上方向からのコメントがついた。しかも知り合い。そうか、君たちはわたしがワカサギをたくさん釣ったのがくやしいんだな。なので、

(ワカサギではなく)フライの雑誌社の本をご注文くださっている皆様すみません。明日発送します。

に書き換えた。ワカサギを食べたい方は自分で釣ってください。

とか書くと、ここぞとばかりに、鹿児島方面から「鹿児島のカマスを食べたい方は自分で釣ってください。」とか突っ込まれかねない。いや、ぜったいに突っ込まれる。インターネットこわい。鹿児島のカマス食べたいです。

ときどき思うが、わたしのばあい、ネット上に限らず、よく知らない他人様とがんばってコミュニケーションをとりたいという願望はほとんどない。若いころは合コンとか本当に苦手だった。(それ関係ない) 釣りなんか好きなくらいだから、基本的にひとりがいい。せいぜい気心の知れた数人で遊ぶのが好きだ。

本や雑誌を発行して、それらを読んでくださった方からのレスポンスをいただくと、天にものぼる気持ちになる。読者からの、はがき一枚、電話一本、感想メール一通に編集者の全てが包括されている。もちろん賛同、批判こみこみが大前提だ。よく言う「ディスる」だって大歓迎だ。誤読だって読書だ。

でも逆に、あきらかに読者になってくれていない人は、「あ、このひと読んでくれてない」と、すぐに分かる。読者じゃない人から、たとえどんな罵詈雑言を浴びせられたって、すこしもちっともなんとも感じない。〝読んでね。〟と心で思うだけだ。

そういうときのわたしは「団地ともお」の20巻で、ともおが学校からの帰り道で我慢と努力を重ねたにも関わらず、ついに自然の摂理に抗いきれず大きい方を漏らした時のような、穏やかな表情になっている。瞳孔が開いている。

曇りがベスト。
曇りがベスト。
地元の半プロの方の釣果。「4連くらいは普通かな。」だそうだ。
地元の半プロの方の釣果。「4連くらいは普通かな。」だそうだ。
真ん中のひときわ大きいので10㎝くらい。6、7年前は10㎝じゃ小さい方だった。
真ん中のひときわ大きいので10㎝くらい。7、8年前の河口湖は10㎝じゃ小さい方だった。
半日で400匹なら納得満足。
ワカサギじゅうたん(一部)。半日で400匹なら納得満足。
たこはたこつぼが好きですが、じゆうに泳げるひろい海にもあこがれます。|『葛西善蔵と釣りがしたい』
たこはたこつぼが好きですが、じゆうに泳げるひろい海にもあこがれます。|『葛西善蔵と釣りがしたい』←ワカサギのことならこの一冊。