昨夜の一晩中インタビューは、阿仁のマタギのおじさんと、仲がよかった訳でもない高校時代のクラブの先輩だった。場所はどこかの小学校の下駄箱の横。蓑を着たフル装備のマタギの後ろで、思いつめた顔をした学生服の先輩が自分の順番が来るのを待っている。マタギのおじさんはクマを獲るときの苦労話を身振り手振りつきで熱く語ってくれた。語り終わったマタギが鉄砲をがちゃがちゃいわせながら帰ると、次いで先輩が椅子に座った。何を聞けばいいのか。暑くもないのに寝汗がじっとりしみ出てくる。これじゃあインタビューじゃなくてカウンセリングである。