一緒に漁業協同組合をつくりませんか?(第103号「漁協をつくろう!」への反響から)

第103号掲載の、「漁協をつくろう! 釣り人による、釣り人のための、釣り場づくりを考える」(スズキ・イチロー)へは多くの反響があった。『フライの雑誌』第104号・124ページに掲載した記事は、その中のひとつ。実際に自分たちの手で漁協をつくろうとしている釣り人グループからの、活動参加への呼びかけだ。こうした草の根の声と動きから、世の中は少しずつ変わっていくのだろう。

●本誌103号の「漁協をつくろう!」をご覧になられた方の中には、実際に内水面漁業協同組合を設立したいと思われた方も多いのではないでしょうか。実は、私たちは庄内川水系(愛知県)において、内水面漁業協同組合の設立に向けた取組を進めています。まさに「漁協をつくろう!」の内容そのものの取組を行っています。

●平成21年に名古屋市をはじめとする庄内川流域に住む釣り人、環境団体のメンバー、行政職員の有志など、約20名が集い「尾張漁業協同組合設立発起人会」を発足し、定期的に会議を開催しています。そこでは、庄内川水系の地域特性を踏まえた行使規則や遊漁規則などのルールや仕組みづくりを進めています。また、アユ、ウナギ、サツキマスなどの回遊魚の保全に向けた調査・研究、釣り大会、産卵場造成などのフィールド活動も行っています。

●我々が、漁協を設立しようと思い立ったきっかけは、庄内川水系の河川環境、つまりは漁場環境(釣り場環境)を保全・再生したいという想いから始まっています。また、全国の漁協が実施する「増殖行為=種苗放流」に大きな疑問を感じていたことも大きな理由の一つです。

●現状では、漁協に義務付けている「水産動植物の増殖行為」が「種苗放流」中心となっています。しかし、人の手によって、他の地域から生物を持ち込むことは、外来種の侵入や伝染病の蔓延などの大きなリスクを有しています。そこで、我々は産卵場造成などの環境改善、あるいは天然資源を最大限活用する「汲み上げ放流」など、種苗放流に頼らない増殖行為を行う漁協を目指しています。

●また、子どもたちに川で楽しく遊んでもらうため、投網、ヤス、ウケなどの漁具が使用できる「子ども自由区」の設置なども検討しています。当然、子どもの遊漁料は「無料」とするつもりです。

●このような漁協の設立を目指していますが、幸いなことに庄内川水系(愛知県内)には既存の内水面漁業協同組合が存在しません。全国の一級河川の中でも稀な漁協がない河川であることも漁協を設立しやすい条件となっています。

●現在、漁協設立を目指して発起人を募集しています。もし、名古屋市をはじめ庄内川流域にお住まいの方で、我々が目指す内水面漁業協同組合に賛同・協力していただける方は、ぜひこちらのアドレスまでご連絡ください。

矢田・庄内川をきれいにする会
佐久間 連絡先 macaca_17@yahoo.co.jp

※写真はアユ、ウナギ、サツキマスなどの回遊魚の保全に向けたフィールド調査の様子

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矢田・庄内川をきれいにする会 提供
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