●福島第一原発事故による放射能汚染被害に苦慮している中禅寺湖漁協が、湖の「再生」を目指した釣り大会を開催。
釣り人が集まったから、汚染の実態が解明できたからといって、自然界の放射能汚染は何十年、何百年も残る。私たちが生きている間は、原発事故以前の自然は「再生」しない。
放射能汚染の被害に苦しんでいる漁協や地域住民と心をあわせ、もうこれ以上の核の被害を起こさないと決めることは、私たちにはできる。
たとえば、原発反対を明言しない政治家を次の選挙で落とすことはできる。
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●下野新聞(4月27日)の報道には驚いた。
(釣った魚を)研究材料として県水産試験場に提供することで、汚染魚を除去し、湖の除染にもつなげたい考え。除染を目指した釣り大会は極めて珍しく、同様に苦しむ湖沼除染の先例の一つになりそうだ。 漁協関係者は「少しでも元の湖に戻したい」として26日、県や市と対応策を協議。参加者が釣った魚をすべて回収し、研究材料に使う方法で、釣り大会を開催することにした。
まさか魚を取り除けば除染になるとして県は釣り大会を許可したのかと、当編集部では本日栃木県水産振興課に電話取材した。
水産振興課本沢さんによると「今回の釣り大会は、風評被害払拭のための漁場PRの一環だ。除染のための釣り大会だとは認識していない。」とのこと。中禅寺湖が受けた放射能汚染被害は風評ではなくて実害だ。それはそれとして、釣り大会の目的は除染ではないという栃木県の見解は当然である。
下野新聞の〈除染を目指した釣り大会は極めて珍しく、同様に苦しむ湖沼除染の先例の一つになりそうだ。〉という記述は、あまりにも乱暴で思慮が浅い。下野新聞は『淡水魚の放射能』をよく読んで、放射能汚染と魚との関係について勉強してほしい。チェルノブイリでの先例も書いてあります。
こういったいいかげんな報道が、困っている地域住民の足をさらに引っ張る。
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●福島県川内木戸川「調査釣行会」が5月25日〜5月26日に開催される。共催:木戸川漁業協同組合・川内村役場・川内村観光協会 協力:福島県で釣りを楽しむ会
川内村の釣り行楽が、震災以降、窮地にあります。一日も早く、昔のような釣りを楽しみたい人も多くいらっしゃいますが、今回はそんな将来を見据えての調査活動です。(観光協会HPより)
釣りイベントについての編集部の考え方はこちらの記事に書いた。