今年はじめてのスイカが手に入ったので、

編集部から歩いて15秒の浅川の河原へ食べに行った。いつもの低い堰堤に「魚道調査実施中」ののぼりがたっていて、上流側にネットを張っている。魚の遡上調査をしているようだ。救命具をつけたおじさんと女の子の二人が魚道のなかに入ってガサガサやっている。のぼりに「株式会社東京環境ナントカ」と書いてある。声をかけた。

「こんなとこ魚いませんよ。ぼくは釣りしてるから分かるんだ。つい1ヶ月前まで半年以上も河川改修とか言って国交省が重機でガタガタにしたばかりですからね。」
「はあ、その国交省から言われて調べてるんです。」
「その国交省に言っておいてくださいよ。オイカワだってあんたたちの工事のおかげで、1匹もいなくなっちゃったんだよ。魚殺しまくったあとで魚道しらべたって、まったくなんの意味もないでしょ。そうだと思いませんか、ねえ。」

なんだか自分を止められなくて、早口でまくしたててしまった。この場合、明らかにぼくの方が〝おかしい人〟だったと思う。