「IWAジャパンプロレス15周年記念大会・第二弾」が開催される。私は5月に開催された「IWAジャパンプロレス15周年記念大会」へ行ったのだが、Iジャの興行ではここ数年ご縁のなかった大入り満員で、会場へ行くエレベーターを待つ人の列が旧コマ劇場の前でとぐろを巻いていたほどだった。
今回の「第二弾」は、どうも5月大会の大入り満員に気をよくした団体関係者(まちがいなく浅野金六社長)が、勢いで「じゃあ、第二弾もやるわよ!」という感じで決めてしまったんだろうな、という気がしてならない。いやたぶんそれで間違いない。だってふつう記念興行は1回でおしまいでしょ。そこを儲かりそうだからって2回やろうとするのがこの団体である。
「第二弾」がうまくいったら「第三弾」もやるだろう。それもうまくいけばいっそ今年の残りのIジャの興行は、ぜんぶ「15周年記念大会」になり、来年の興行はぜんぶ「16周年記念大会」になるだろう。そういう団体だ。でもおそらくそんな浅野社長の目論みはもろくも崩れるに決まっている。そういう団体だから。
さて今週末の「第二弾」はどれだけお客を集めるのか。今回のメインイベントは、旧エース×現エース対決の〈IWA世界ヘビー級選手権王者決定戦 松田慶三 vs ブラック・バファロー〉である。松田慶三の〝がっちり男気〟が、かつての〝IWAの若社長〟で、いま〝バファロー〟な山田相手にどこまで通じるのか。ここは現エースの意地と実力で、外敵を一蹴しなくてはいけないところである。個人的にはひじょうに興味深い一戦だが、一般受けはしないよね。
ということで、世間へ訴えかけるべき今回の興行の目玉は、〈殺人医師スティーブ・ウィリアムス復帰戦〉だ。喉頭がんから見事な復活を遂げたスティーブの熱き闘いが、お疲れ気味の人々に生きることの歓びを教えてくれるに違いない。スティーブは応援したいんだけれど、でもさいきん小橋といい、穂積の母親といい、本来ならあまり表にだしてアピールするべきことではないような、そんなテーマが格闘界に露出するケースが続いていて、一ファンとしての本音を言うとすこしツライんだ。
それでも私は「第二弾」に行く。がんばれスティーブ!