今日は静かに釣れると思ったのじゃが

今朝は多摩川へ行った。河原でフライロッドをつないでいたら、後ろから「なに釣れるの? マス?」と声をかけられた。いつのまに近づいていたのか、あからさまに素人っぽい質問だ。面倒なので聞こえないふりをしたら「よお! アユ釣れんのかよお!」とドスの効いた声が。
振り返ると、5人くらいは軽くあの世へ送ってそうな眼をしたおじさんが私をまっすぐ睨んでいる。スウエットの上下を豪快に着こなして胸にはなぜか虎が吠えている。首には金のくさりが。うわー。「あ、はい、マルタとかですね。でかいハヤです、はい」。思わずですます調で答えてしまった。「ふうん、はやく釣って見せてくれよ」。ひー。すぐそばに立たないでください。
おじさんを間違って釣っちゃったらえらいことだとびびる。しばらくしたらつまらなそうに立ち去ってくれたから助かったが、いつ戻ってくるかと心配でずっと背中を気にしていたのでたいへん疲れた。今日は静かに釣れると思ったのじゃが。