今週のイノセントな本棚

お盆でどこも混んでいるし夏休みで小学生が家にいるしで本を読むしかないかなと。

メディアの苦悩』(光文社新書)。よくもわるくも電通本。

釣人かく語りき』(つり人社)。5月発行。タイトルと装丁が怖くて尻込みしていたのをやっと読んだら、とても面白かった。ささきいさお、松本秀夫アナの回がとくにいい。フライフィッシング好きな著名人も多い。ゲストが企業人の回はつまらなかった。広告欲しかったのかな。

吉行淳之介エッセイ・コレクション1、2』(ちくま文庫)。再読。何度読んでも面白い。

図書新聞』3171号。ゴリゴリ・レビューを読むと自分が頭よくなった気分になる。

怨獄紅』(上村一夫)。再読。何度読んでもきもちわるい。

月刊 創 2014年9・10月号』(創出版)。広告屋さんの連載はいらない。

『進撃の巨人』14巻についてきたクーポンで「別冊少年マガジン」買ったら、「巨人」と阿部洋一氏以外の、掲載作品全部の区別がつかないし、興味ももてない。「巨人」スピンオフ作品にも全くのれない。ないない尽くし。漫画読みだったはずの自分にガッカリ。もうおわた。

久しぶりに小学館「ビッグコミック」買った。ページ数たくさんあればいいってものじゃない。この路線で売れてるとは思えないぞ。ていうかウヨウヨ小学館は、そのうちドラえもんに「SAPIO」誌上で、「嫌韓、嫌中に決まってるじゃないか、のび太君」とか言わせたいんじゃないか。「ビッグコミック」系はまたしばらく買いたくないな。

『ウナギと日本人』(河出書房新社)はこっちに。

本棚に刺さりっぱだった「団塊パンチ2」ビートルズ特集号(2006)を再読了。いま読んでも大変おもしろい。でもこの本がターゲットとしていた団塊世代に売れなかったのは当然だろう。売る気ないもの。

物語の舞台すら記憶とまったく違う。ヤンキーと厨房のラブストーリーなぞにぜんぜんのれず。押し入れから四半世紀ぶりに出てきた「ホットロード」全4巻を前におっさんは悄然としている。あらためて時の流れを知った。連載当時は盛り上がっていたのにおれ。作風がまんま立原あゆみだ。「本気!」と書いて「マジ!」と読むやつ。

マンガの実写映画化で、原作者が俳優を「この人しかいない。まるでマンガから出てきたみたい」と激賞する映画は「見なきゃよかった!」となるジンクスがある。「釣りキチ三平」然り「カムイ外伝」然り。「ホットロード」でも発動するのかな。

AiR 4 KDP』(電子書籍AiR)。いい買い物だった。電子書籍デバイスにマッチした見せ方、文体がたしかにある。ケータイ小説のそれともまた全然ちがう。「この作品を紙に印刷する意味はないよね」もあれば、「この作品は電子書籍じゃないと意味がないよね」もある。それにしてもKindleで読んだ「本」の実感の無さよ。

もの食う人びと』(辺見庸)。何度読んでも胸に残る。平和のために軍備は必要だという人には、この本と「火垂るの墓」と「はだしのゲン」をヘビロテさせれば充分だろうと思う2014年の8月15日。

だれかの本棚にはその人の全人格が現れるという。

わたしの本棚はイノセントすぎて恥ずかしい。

こういうかんじ
かさねるとこういうかんじ。「ホットロード」がみえない