出版という病

ふつうの人にとって、購入する前の本は(機会と価格が主として問題になる)コモディティだ。読んで内容を理解し、共感し、なんらかの関係を結ぶまでは。そしてその関係は読者と本との1対1であり、唯一のものとなる。(「電書1兆円」は正夢? (4):本はコモディティか)

電子書籍市場うんぬんの議論はおいといて、面白く読んだ。

出版物と読者との結びつきは、けっきょく「読んでもらわないと始まらない」。読んでくれない読者は読者ではない。顧客でもない。あたりまえ。じゃあ読んでもらうためにどうするか。読もうとしていない人を振り返らせてまで、自分のつくった本を読んでもらいたいか。

読んでもらいたい。うん。それが出版という病に陥った者の業というものだ。そして業というものはマーケティングからはもっとも遠い場所にある。ゴーヤチャンプル。

虹は追えば追うだけ逃げるのさと言えば、『葛西善蔵と釣りがしたい』SBN 978-4-939003-55-4 B6判 184ページ / 本体1,500円+税
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