利根川の戻りヤマメ

フライショップ アンクルサム(群馬県松井田市)さんから届いた写真。お客様が去年釣った利根川の戻りヤマメ。45㎝、46㎝。

追伸1  私の町の某金融機関に『フライの雑誌』を置かせてもらっている。しかし実態は奥様方が多いせいか、雑誌置き場ではファッション誌や料理本、黄色やオレンジなどの色の雑誌が幅を利かせている。いつも女性誌が一番上を占領しているので、『フライの雑誌』は片づけられてしまったかと探して見ると、かならず一番下になっている。しょうがない、奥様が多いからなと思いながら、私の右手は『フライの雑誌』をすくいあげて一番上に置いている。

そんなある日、やせ細った80歳は行くだろうと思える老人が、緑の渓流の表紙の『フライの雑誌』第105号を食い入るように見ていた。見てくれる人がいるんだと私は嬉しくなって、80歳ぐらいの年輩者がそんなに食い入るように見ているページはどこだろうと思い、年輩者の前をゆっくり通り過ぎながらそっとのぞいた。牧浩之さんの鳥撃ちのページだった。

しばらくすると、受付の女性が「松井田猟友会さまー」とアナウンスした。金融機関の10分もない待ち時間で、置き場の一番下にあっただろう『フライの雑誌』の終わりに近い鳥撃ちのページを見つけ、真剣に記事を読むなんて、80歳を過ぎているだろう猟師の嗅覚はさすがだと思った。ぜい肉のない細身の体の猟師の後姿には、ベルトに今どきめずしいタオルがぶら下がっていた。

追伸2  『フライの雑誌』の編集長から「小板橋さん、〈箕輪城まつり〉の後篇が届かないですよ。前篇の頃はまだ草が緑だったのに、もうそちらは白くなってるんじゃないですか。」と電話をもらっちゃって、どうもすいませんでした。

中山道の釣旅「第13回箕輪城まつり 後篇」より
小板橋伸俊(アンクルサム/群馬県安中市松井田町)

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