へんな話だが、わたしの場合、たくさんの人と〈仲間〉になればなるほど、ものすごく孤独を感じる。それはもう自殺したくなるほどの孤独だ。若いころは違和感があるくらいだった。歳くってきたら、胸の奥の穴ぼこが顕著になってきた。
たとえば国会議事堂の前で、「今わたしは12万分の1になった。」と意識するとする。お調子者のわたしは、その瞬間は盛りあがる。皆と声を合わせてきっちりコールする。誰かと目が合えば自分から笑いかける。坂本龍一氏がマイクを持って出てくれば、「きょうじゅー」って叫ぶと思う。素人のラップを心から恥ずかしいと思いながらも、身体くらい揺するかもしれない。
集団のなかで高揚すればするほど、ひとりに戻ると、強烈な穴ぼこが口を開けている。12万分の1になった帰り道に、丸ノ内線新宿御苑あたりの駅トイレで、便器に頭を突っ込んで何事かをうなっているおっさんがいれば、それはわたしだ。
おそらくはわたしも混ざりたい。でも混ざりたくない。そして混ざれないことも自分でよく分かっている。
だから昨日はオイカワ釣りへ行った。
そして今日は金魚釣りへ行ったのです。