川野信之さん新刊『フライに対する鱒の行動』(G.E.M.スキューズ/カワノ・ブックス)

フライフィッシング史に残る大著『フライフィッシング用語辞典』の著者として知られる、川野信之さんが新刊をリリースした。

自ら主宰するカワノ・ブックス、フライフィッシング クラシック翻訳シリーズの第三弾は、『フライに対する鱒の行動』(G.E.M.スキューズ The way of a trout a fly:G.E.M. Skues)だ。第二弾はスキューズと因縁深いハルフォードの『水に浮くフライとその作成法』であったから、順番としては誰もが首肯する。もちろん本邦初完訳である。

なんとも表紙がいい。あからさまに不機嫌そうなスキューズさんが、「おまえさん、ほんとにフライフィッシングわかってんのかい?」とこちらを見ている。スキューズさんはオスカー・ワイルドと大学の同窓だったそうである。

カワノ・ブックスさんは、数ある既存の出版社ができない大仕事を次々に成し遂げさらに先を見る。フライフィッシングの開拓精神を体現するその姿には、批判精神旺盛なスキューズもにやりと微笑むに違いない。(じっさいスキューズの原文はきわめてひねくれており、翻訳はおそろしくたいへんだったとのこと。そのあたりの興味深い裏話も本書の解説で楽しめます)

カワノ・ブックス フライフィッシング クラシック翻訳シリーズは、すべてのフライフィッシャーが読むべき古典です。

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