今年も編集部の戸袋の中が「ぴちゅう」と鳴いたのに初めて気づいたのは、先月5月の上旬だ。ちょうど第105号の編集作業のピークと重なるころだった。
かわいらしい「ぴちゅう」は、じきに「ギョワ!ギョワ!」になり、そのうち「ギュワギュワン!」になった。(大きくなっているんだな、)とわたしは思いながら仕事していた。
今週ふと気がつくと、戸袋が静かになっている。
ああ、巣立ったんだね。
窓のすき間からムクドリの巣をのぞき込んでも(巣じゃなくて戸袋だけど)、トリの気配はもうない。第105号を世の中に送り出したのと、ひなたちが無事に巣立ったのは、ほとんど同時だったようだ。
編集部は今年もムクドリの繁殖に一役買ってしまった。来年は来てくれるかな。〝ムクドリの間〟はそのままにしておこうか、いやー。
ハヤやカエルやムクドリとともに生きよう。