後楽園へ小橋を見に行った。

腎臓がんから生還したプロレスラー小橋の試合を見に行った。

聖地・後楽園ホールへ2年ぶりにその勇姿を現した小橋を、2100人満員の観客が熱狂的な小橋コールで迎えた。もちろん私も声をからして叫んだ。昨年末の武道館での小橋復帰戦はチケットがとれなくて観戦できなかった。ようやく生の小橋を観ることができる。

リングに立った小橋は、かつてのタッグパートナーで数々の死闘を繰り広げて来たライバル秋山と、得意技の応酬を繰り広げた。小橋の逆水平チョップ、秋山のエクスプロイダー、小橋のハーフネルソンスープレックス、秋山のジャンピングニーアタック、そして小橋が剛腕ラリアットで秋山をなぎ倒した。一番良い時の小橋と同じだ。小橋が戦っている。

場外乱闘でなんと小橋が私の目の前、わずか2メートルのところで逆水平チョップを連発してくれた。やられた志賀の胸板は見る見るうちに真っ赤にはれあがり、小橋のチョップの威力を見せつけた。やっぱり小橋はすごい。いったいなんなんだあの腕の太さは。

試合後、小橋は懐かしいようなまぶしいような表情で後楽園ホールの観客席を見上げ、東西南北をゆっくりみまわした。小橋の視線が届いた先の観客席が次々にどかんどかんと爆発していく。鳴り止まない小橋コール。小橋が生きてリングに帰って来た。もう涙が止まらない。私もがんばって生きよう。小橋ありがとう。