「フライの雑誌」第81号の制作がいよいよ崖を転がり落ちて来た。忙しくなればなるほど現実逃避したくなるもので、昨日は近郊の川へ出かけた。前々から予定を組んでいた取材とはいえ、心の奥底で喝采を叫んでいる自分の本音を隠しきれない。いやあ、楽しかった。気分転換と称して編集室でひとり、「The Little Girl Giant」などを見て「は〜、癒される」とうそぶいているのとは決定的に質が違う。ヒトには水が必要だ。しかも清冽な流れる水が。
私の仕事は釣り本の編集で趣味も釣りで休みの日もわりと釣りではあるものの、テレビもけっこう好き。ここ2、3年の釣りに行かない土曜の朝は「超星神グランセイザー」に始まり、超おばかな戦隊もの「超星艦隊セイザーX」を経て、ヘンタイアニメ「おとぎ銃士赤ずきん」、そして先日放送終了した「BLUE DRAGON」と、テレビ東京系で押さえている。この局ならではの開き直りで好き勝手にやっている感じが好きだ。今朝は釣りに行かなかったので、最新「BLUE DRAGON 天界の七竜」を見た。
前作「BLUE DRAGON」はゲーム原作という出自を脇に置けばお気に入りの方だったが、今の「BLUE DRAGON 天界の七竜」はどうもいけない。ストーリー的に必然性のない無理矢理な戦闘シーンが多すぎる。前作にもたしかにそんな傾向はあったけれど戦いに至るまでの導入はもっと滑らかだったし、戦いにつきもののむなしさの表現を忘れていなかった。今はとにかく、ケンカしたい誰かをやっつけたい、おれたちは強いぞ敵はどこだオラオラ、という感じ。「君は力を得て何をしたい?」という前作の哲学的な問いかけが、とりあえずどんぱちやってればオモチャが売れるという商業主義にとりこまれたかのようで哀しい。
ガンダムはバージョンを重ねていくにつれ、職業軍人がどこかの宇宙でコショコショやりあっているネクラな軍隊アニメになっていった。こんな気が滅入るもの誰が観るかという気になった。それとは逆にあっけらかんと笑いながら殺しまくる「天界の七竜」にも、自分は違和感がはなはだしい。今朝の第4話でも改善はみられず、もういいかなと思う。そもそも先の問いかけ自体が、前作の終盤ではド派手な戦闘シーンばかりが目立って、ないがしろにされたことへのフラストレーションが拭いきれない。
私は平和主義者なのだ。また釣りに行きたくなってきた。