放射能汚染に関する水産庁公式Facebookページ「頭が下がります」発言への疑問と質問

水産庁の公式FBが、中禅寺湖の放射能汚染によるヒメマスの漁業被害について、

「解禁延期要請解除までの栃木県と地元漁協の御苦労と検査への御尽力には、つくづく頭が下がります。」

ポストしました

さらに、

「ヒメマス以外のマス類(ブラウントラウト、ニジマス等)は、今年のシーズンもキャッチ&リリースだそうです。これらの魚は、食べられない代わり大物がヒットしそうですね。」

とも。

これはいったい何なのでしょう。水産庁の他人事っぷりにがく然とします。以下5点について発言部署を明らかにした上での回答を求めます。

1、水産庁は漁業被害を引き起こした国の原子力政策の失敗を漁業関係者へ謝罪しましたか。

2、放射能汚染で困窮している観光業者を含む中禅寺湖の漁業関係者へ、水産庁はどのような具体的なケアをしましたか。

3、放射能汚染による漁業被害を今後二度と起こさないために、水産庁としてどんな策をとっていますか。

4、原子力発電所の再稼働の是非は国民的議論になっています。実際に日本の漁業を毀損した放射能汚染を引き起こした原子力発電所を、水産庁は将来的にどうするべきだと考えていますか。

5、今回のエントリーは漁業者を守るのが使命である水産庁の公式意見として妥当だと考えていますか。

役人が頭を下げたところで、なんの意味も価値もありません。国民のために奉仕して働くのが公僕たる国家公務員です。のはずですが、なにか自分たちが国民より偉いんだと勘違いしているような無意識の意識が、このポストには見受けられます。

放射能汚染による漁業被害に関する責任を頰被りする水産庁の姿勢を許してはいけないと考えます。

本件は次号『フライの雑誌』でも記事化して掲載します。

>淡水魚の放射能汚染まとめ

以下、念のため水産庁の当該エントリーのテキストと画像を記録しておきます。

【中禅寺湖のヒメマス、まもなく解禁予定です。】
ヒメマスはサケ科の魚ですが、一生を湖で過ごす淡水魚で臭味がなく美味です。
ここ数年の間、栃木県の中禅寺湖では、ヒメマスの解禁延期要請が出ていて食べることができませんでした。
しかし、昨年(平成28年)10月に、解禁延期要請が解除されたため、今年の釣りシーズン(陸釣り4月1日~、船釣り4月20日~)からは、持ち帰って食べることができるようになるそうです。
解禁延期要請解除までの栃木県と地元漁協の御苦労と検査への御尽力には、つくづく頭が下がります。
ヒメマス以外のマス類(ブラウントラウト、ニジマス等)は、今年のシーズンもキャッチ&リリースだそうです。これらの魚は、食べられない代わり大物がヒットしそうですね。詳しい情報と釣りのルールにつきましては、中禅寺湖漁業協同組合の下記URLでお確かめください。
http://www.chuzenjiko.or.jp/
今年は、4月以降に中禅寺湖畔の宿で泊まると、ヒメマスが食べられるかもしれませんね。マス釣り好きの方も、マスを食べるのが好きな方も、今年の中禅寺湖はねらい目のようです。
また、時間の許す方は、竜頭の滝の近くにある「さかなと森の観察園」(開園期間:3月20日~11月30日)もお薦めです。詳しくは下記URLをご覧ください。
https://www.fra.affrc.go.jp/nikko/

「水産庁suisan」より2017年2月28日付
「水産庁suisan」より2017年2月28日付
淡水魚の放射能―川と湖の魚たちにいま何が起きているのか  水口憲哉著
 
淡水魚の放射能―川と湖の魚たちにいま何が起きているのか
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