本日完成! 新刊『桜鱒の棲む川 ─サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!』本文紹介(その7)

その6からつづく)
川が川でなくなった時サクラマスは途絶える

太平洋のサケ属のルーツにあたるサクラマスの仲間が、いまレッドデータブックで取り上げられ、生存するギリギリの状態にある。本書ではその様子を日本各地の川、一本一本で見てゆく。川が川でなくなったらサクラマスは途絶えてしまう。人の手ではつくることのできない、まさに自然そのものである。各地でそのように考え、活動している人々は多い。

だが、サクラマスという魚がどんなものであって、私たちがどのように対応すればいつまでもつき合い続けられるのかを、もう一つ分かっていない人も多いようである。筆者自身も安家川のサクラマスを調べるまではそうだった。いまこの『桜鱒の棲む川』をまとめるにあたって、どのようにすればいいのかの方向性が見えてきたように思う。

北東アジアの大地と川と海の数百万年という時の流れの中で、今なお分化し、進化しつつあるサクラマス。しかし、その行く末は定かではない。その未来を確かなものにするのは、桜鱒の棲む川の沿川で、サクラマスを見守りつづける人々である。

(『桜鱒の棲む川 ─サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!』水口憲哉著
 本文第1章「美しき頑固もの、サクラマス」より抜粋)

※たいへん長らくお待たせしました。ようやく完成しました。本日から順次発送してゆきます!

「桜鱒の棲む川 ─サクラマスよ、故郷の川をのぼれ!」
プレスリリース