池を作ろうと思う。40

朝、池のほとりでぼんやりしていたら、わたしが組んだへたくそな石垣の間から顔を出している何かと目が合った。トカゲかな、と思ったらちがう。ちろちろと舌をだしたりひっこめたり。ヘビだ。仕事へ出かける途中だったうちの人を静かに呼び二人でしばらくヘビとお見合いした。ヘビだね。ヘビだよ。そんな朝。
朝、池のほとりでぼんやりしていたら、わたしが組んだへたくそな石垣の間から顔を出して、こっちを見ている何かと目が合った。トカゲかなと思ったらちがう。首が長い。ちろちろと舌をだしたりひっこめたり。ヘビだ。仕事へ出かける途中で忙しそうにしていたうちの人へ声をかけて、二人でしばらくヘビを見ていた。ヘビだね。ヘビだよ。そんな朝。
あとでうちの人が「うちの池にヘビがいたんです。」と近所のおばあちゃんに報告したら、「あら、あんたそれは縁起がいいわ。」と言われたらしい。水が漏れ気味のわたしの池にヘビがきたんです。
あとでうちの人が「うちの池にヘビがいたんです。」と近所のおばあちゃんに報告したら、「あら、あんたそれは縁起がいいわ。いいことあるわよ。」と言われたと喜んでいた。わたしはだまっていた。こころのなかで、苦労をかけてすまないねと言った。

池の水漏れもなおるだろうか。

だから今日も水を足そう。
すまないね。といえば『葛西善蔵と釣りがしたい』