さいきん知り合った何人かの釣り人に、「うちに池あるんですけど、いえ自分で作ったんですけどね…」と話している。たいてい「それはすごいですねえ。うらやましいなあ」と言ってもらえる。
わたしはあわてて、「いえ、畳一畳くらいの落とし穴みたいな池とは言えないような池で…」と付け加える。「釣って来たタナゴやハヤやドジョウなんかを入れてあるんです。メダカはあれ、放っておくと勝手に増えますね」
すると、「ほほう、それはいいですねえ」と、さらに盛り上がる。皆さん、わたしの池が、相当ものすごい池だと勘違いされているかもしれない。現況はこんなもん ↓ です。すごいでしょう。
マツモとホテイアオイがずいぶん増えて、プランクトンがいい感じで落ち着いている。水はポンプで動かしている。状態は安定していると言っていいと思う。金魚のエサ(細粒)を水面へ投げると、こんなに濁っているのに、電光石火でハヤが姿を現してライズする。ゴルゴも真っ青、コンマゼロゼロ秒級の反応だ。
渓流の水中にいるヤマメやイワナは、あいつら絶対にフライが落ちてくるところを、かなり遠くからチェックしている。FLYイナガキの川本勉さんが言うように、魚から見えやすいようにゆっくり飛ばして食べやすいようにふわりと落とすとか、逆にフライによっては音をたてるくらいに水面を叩くとかが効くはずだ。
となるとフライパターンはどうなるだろう。ドライフライのテールが一本あるかないかが、どれだけ水中にいる魚からの視線に関係あるのだろう。フライが着水するより前に空中へライズしてくるヤマメの行動を後押しするカギは何だろう。いろいろと妄想が広がる。
人間の社会はばかの繰り返しだが、水の中は興味がつきない。
池の端でぼんやりする。仕事もしよう。