前々から考えていたのだけど、今年のフライの雑誌社は、無料の小冊子を発行したいと考えている。
さいきん流行りの広告料目当てのフリーペーパーではない。雑誌じゃなくて、文庫本サイズや新書サイズでもいいかもしれない。とにかく「タダで配る本」をつくる。
いまの時代なら、おともだちとwebマガジンを創刊します、というのがふつうかもしれないけれど、そこをあえて逆に行く。あたりまえのことをやってもおもしろくない。アナログばりばりだ。
印刷代は、モノクロの文庫本サイズ100頁をオンデマンドでせいぜい2、300部刷るくらいなら、おそらく7万円くらいですむ。こういう世知辛い時代になったけれども、もう四十路のおやじなんだから、遊びにそれくらいのお金を費やしたっていいじゃんか、と開き直ることにした。すこしの血を流す。
バンブーロッド一本買ったと思えば、どうってことない。
学生時代にミニコミ誌を作っていて、いちばん悔しかったのは、採算のとれないこと、ではなかった。配本法がないことだった。思いあまって、自分の作ったミニコミ誌を、中央線各駅のパンフレットスタンドに、投げ込んで逃げたこともあった。ほぼテロ。掃除の邪魔になったと思う。ごめんなさい。>参考
いまは、それこそwebがあるので、読者とのコンタクト法には困らない。このサイトやSNS上で「欲しいひとにあげます」とPRして、手を上げてくださった方に送る。フライの雑誌社ネットショップで本を買ってくださった方へ、オマケというかたちで、ゴリ押しで送りつけるというのではどうか。販促にもなるかもしれない(いま気づいた)。
シリーズ名はまだ決めていないけど、こんどの「タダの本」はその名の通り、お代はいただかない。そのかわり、中身はだれにも気を使わないで、書きたい内容だけを載せる。テーマはフライフィッシングとは限らない。う〜ん、その、お金も根拠もないくせに鼻息だけはあらい姿勢って、今の『フライの雑誌』とそう変わんないじゃないかと自分で突っ込みたい。
今年のフライの雑誌社は、かたや、App Storeでの電子書籍の新シリーズ発行、かたや、アナログ本の無料配布と、両極端で遊んでみます。
もちろん本筋の『フライの雑誌』はこれまで以上に。
ご期待ください。