無理なものは無理

「釣りビジョン」さんの携帯サイトへ書かせてもらっているコラムは、週に一回の更新で、一回あたりの文字数が約250文字と言われていた。連載が始まって6週間、投稿は8回に及んでいる。最新の投稿では、文字数は700字をかるくオーバー。担当してくれている方に「申し訳ないですが長いです。」と言われてしまった。申し訳ない。

ふだん編集者をしていると、規定の文字数を無視するヒト、締め切りを無視するヒト、テーマを無視するヒトなど、(とくに『フライの雑誌』のライターは)編集者からの依頼をふつうに無視するヒトばかりで、おれの仕事ってなんて理不尽なんだろうと思ってきたわけだが、自分も立場が変わればやはり無視するヒトだったかと、じつは予期していたこととはいえ少々胸が痛む。

今思うと、私がかつて編集していたトラウト・フォーラム機関誌の巻頭コラムを、毎回文字数ぴったりで、しかもあれだけ出張が多い方だったのに必ず締め切り前に、いつも興味深い内容できっちり納めてくれていた西山徹さんは偉かった。私の場合、西山さんを思い出して性根を改めるかといえばそうではなく、無理なものは無理だからと開き直り、次も長く書いちゃえ書いちゃえと、頭の脇で悪い子がささやいているのである。

さて、編集者からの依頼をふつうに無視するヒトの筆頭であるカブラー斉藤氏は、ただいま荷物満載のスーパーカブ号で、北の大地をよたよたと横移動しているはずです。