特別展開催「釣道楽の世界 ー 多彩なる水の趣味文化」

「釣道楽の世界 ー 多彩なる水の趣味文化」

THE ANGLING CULTURE IN JAPAN : History,Diversity,and Philosophy of Fishing

【会期】平成28年9月17日(土)〜11月6日(日)
【休館日】月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日に休館)
【開館時間】午前9時30分〜午後5時30分(入館は午後5時まで)
【会場】福岡市博物館 特別展示室
【主催】「釣道楽の世界」展実行委員会、福岡市博物館、TVQ九州放送、西日本新聞社、毎日新聞社
【共催】(公財)日本釣振興会

日本人の哲学や美意識を伝える文化としての「釣り」

現在 700 万人近い人びとが愛好する「娯楽としての釣り」は、江戸時代に成立した文化といわれています。この娯楽は、世代をこえて脈々と受け継がれてきました。熱心な愛好家の間には、世界でも稀にみる独特の自然観と美意識が醸成されて、その道を極めようという情熱に駆られた人びとが、数えきれぬほど誕生しました。また釣りという文化が、歴史的にも地域的にも、極めて多様な相貌を持っていることは、その大きな魅力のひとつといえます。本展覧会では、日本における娯楽としての釣りの歴史と多様性、そこに表れる哲学と美意識を紹介します。

道楽、その奥深さを伝える6つの扉

釣り糸を垂らした毎日が歴史になる。魚拓が芸術になる。道具が工芸になる。日記が文学になる。遊びが道楽、そして文化になる過程を、さまざまな入り口から眺めます。

心惹かれる釣りの世界を一望する

釣りのかたちは実に様々。大海原に繰り出し、抱えきれないほどの大物を狙うことが釣りのロマンなら、川面に糸を垂れ、せせらぎの中で静かに時が過ぎゆくのを楽しむのもまた釣趣。本展で紹介するのはそんな釣り人たちの情熱と美意識の軌跡。釣り人ならずとも心惹かれる釣りの世界を一望してみましょう。

1.遊釣文化の幕開け
江戸時代、遊びとしての釣りがかたちを整えはじめます。今に伝わる最古の釣り指南書『何羨録』をはじめ、様々な絵画や文献に残された釣り人の姿を紹介していきます。

2.釣りに宿る気風
釣りは、社会的にも地理的にも多様な側面を持ち、特色ある文化を形づくってきました。武士の文化として発達し、庶民へと、そして各地へと広がっていった様々な釣りの姿を紹介します。

3.魚譜の情熱、魚拓の記憶
魚食の民・日本人は古来、魚に対して深い関心を示してきました。博物学的な視点からさまざまな「魚譜」がつくられ、釣魚の記録として、世界的にも独特な「魚拓」文化が生み出されました。

4.釣りと趣味の美学
近代になると、釣りの趣味化が急速に進んでいきます。富裕層の中には、新たな釣りの楽しみを開拓し、後の世代に大きな影響を与えた人びとも現れました。

5.釣道具の伝統と革新
釣道楽は、道具道楽でもあります。道具は技術と相まって、魚種、地域、季節によって変化する自然状況に対応し、また釣り人の美意識にあわせて洗練されてきました。

6.抗い難き釣りの誘惑
寡黙な漁民に対して、釣り人はいたって饒舌です。古い時代から、釣りをめぐる大量の文章や情報が世に流通し、その語りは釣り人の心を騒がせ続けてきました。

〈寡黙な漁民に対して、釣り人はいたって饒舌です。〉が素敵です。ほんとに釣り師は喋りたがる。

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【この本に登場する文豪たち】 開高健 幸田露伴 井伏鱒二 坂口安吾 戸川幸夫 岡倉天心 福田蘭童 山本周五郎 佐々木栄松 中村星湖 立原正秋 尾崎一雄 森下雨村 池波正太郎
【この本に登場する文豪たち】
開高健 幸田露伴 井伏鱒二 坂口安吾 戸川幸夫 岡倉天心 福田蘭童 山本周五郎 佐々木栄松 中村星湖 立原正秋 尾崎一雄 森下雨村 池波正太郎