第二次以降の特定外来生物選定に関連して、魚類専門家グループ会合が5月27日(金)に開かれました。グループの委員は以下の5人。オオクチバスの時のような小グループ会合は予定されていないようなので、実質この5人の意見によって第二次以降の特定外来生物魚類が選定されていくことになります。多紀保彦(座長/財団法人自然環境センター理事長)、北田修一(東京海洋大教授)、櫻井博(多摩動物公園昆虫飼育係長)、細谷和海(近畿大学教授)、村田修(近畿大学水産研究所)・敬称略。同日、第二次選定の検討対象魚種も明らかにされたので紹介します。
●第二次の特定外来生物の選定作業が必要と考えられる外来生物:カダヤシ、ケツギョ、コウライケツギョ、ストライプトバス、ホワイトバス、ヨーロピアンパーチ、パイクパーチ、マーレーコッド、ゴールデンパーチ、ノーザンパイク、マスキーパイク。
●被害に係る一定の知見はあり、被害の防止に向けた普及啓発・防除手法の具体的検討を進めつつ、引きつづき、指定の適否につき検討する外来生物:タイリクバラタナゴ、ニジマス、ブラウントラウト、カワマス(編注:ブルックトラウト)、グッピー。
それぞれの魚種には検討上の摘要が付記されています。たとえばニジマスについては、「在来のサケ科魚類や水生昆虫等に影響を与える可能性が指摘されていることに留意し、適切な管理を行うことが重要。全国的に養殖や管理釣り場で利用され、遊漁を目的として各地の水域に導入されているにもかかわらず、今のところ北海道等の限られた地域でしか繁殖が確認されておらず、今後とも全国的な被害に発展する可能性は低いものと思われる」、と記されています。
ゆめゆめ、<トラの威を借りるキツネと化したおかしな魚類学者達がオオクチバスを指定したことを手柄としてその勢いで>(c. 水口憲哉「釣り場時評45」:『フライの雑誌』第69号75頁)、内水面の釣りと漁業の歴史と現状に反する不可解な魚類指定をすることはないとは思いますが、今後の動向に注目したいと思います。次回の専門家グループ会合は、6月上旬〜7月にかけて開かれます。