生物多様性の理念はどこへ|霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ「霞ケ浦導水事業」

霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ「霞ケ浦導水事業」をめぐり、那珂川流域の県内の四漁協と栃木県の漁連が国に工事差し止めを求めた訴訟で、原告側は三十日、請求を棄却した水戸地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。

 原告の一つ、那珂川漁協の君島恭一組合長(82)は「判決は、那珂川に霞ケ浦の外来種が来るのを認めている印象。きれいな那珂川を残すため、控訴審では主張が通るようにしていく」と話した。…

 導水建設で、アユ漁が盛んな清流の那珂川に、霞ケ浦の水が流れ込むため、漁協側は生態系が壊され、漁業に被害を与えると主張。判決は「漁業権侵害の具体的危険があるとまではいえない」としながらも、「運用次第で侵害の可能性がある。環境への影響が最小限に抑制されるよう努力が望まれる」と国に促した。 (宮本隆康)
東京新聞 2015年7月31日

がんばっておられる東京新聞から。日本は生物多様性国際条約を批准している。あれだけ大騒ぎして特定外来生物法も作ったのにどうした。生物多様性だとか外来種への対応に関して、日本の行政がやっていることはむちゃくちゃ。

生き物相手には威勢がいい生物多様性大事の研究者たちは、お国が相手だとなぜか無口になる。役人の威光をかさに着て、バスやニジマス、アメリカザリガニ、ミドリガメを閻魔様のように断罪した先生方の、あんな顔、こんな顔がいくつも思い浮かぶ。あなたのことですよ。

霞ヶ浦と那珂川と利根川の水を地下トンネルで結んだら、ただでさえ風前の灯の生物多様性が完全に破壊される。外来種どころの騒ぎじゃないと思うのだけど、ちがうのだろうか。それともすでにぐちゃぐちゃになってるから、今さらどうでもいいのか。

強いものにおもねるご都合主義のお題目、環境保全より土建政治、目先の儲け話は関係者でがっちり抱えこむ袖の下体質。たとえ途中で失敗に気づいても、自ら進んでハンドルを切ろうとはだれも言い出さない。事故ったらえらい人から順に逃げだすだけ。

こんな日本で釣り人やっていくのはなかなかたいへんです。

東京オリンピック? 呪われてるでしょ。

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