日光湯川禁漁区拡大の白紙撤回の背景と今後の展開。

5/22、全内漁連のHPに〈日光湯川の禁漁区拡大の白紙撤回〉が掲載された。(PDFファイル)

先にご案内しておりました23年度の禁漁区の拡大については一旦白紙に戻し、釣り関係者を含めた幅広い関係の皆様との間で、「釣りと環境保全の両立」のための対策について意見交換をさせていただきながら、検討を進めて参りたいと考えております。  (全内漁連HPより)

詳細は記さないが、5/20付の本欄で案内したように、日光湯川の禁漁区拡大については先週後半から水面下で大きく局面が動いていた。

釣り人が今回の騒動で気に留めるべきは、以下の三点に集約される。まず国民の共有財産である日光湯川の利用方法には広く国民の意見が反映されるべきであることを前提とする。

第一に、長年にわたり湯川での調査に協力してきた釣り人を無視した状態で、釣りを禁止する方針が決定されたこと。

第二に、5/6に取材するまで、釣り人の唯一の国の窓口である釣人専門官に水産庁内で情報が届けられていなかったこと。

第三に、釣り人有志による日光湯川禁漁区拡大への疑問のPRと反対運動が情況を動かしたこと。

日光湯川の利用方法という個別の案件が、日本における釣り人の立ち位置のあやうさをあぶり出した結果となった。

禁漁区拡大の白紙撤回を受けて、全内漁連のHPには〈「釣り関係者を含めた幅広い関係の皆様との間で」意見交換を進めていく〉と記載された。ここでの「釣り関係者」とはどのように決められるのか。

また、釣人専門官は当然、今後は湯川の利用方法を検討するスタッフの一環となって、釣り人の意見を反映してゆくはずである。今後の展開になお注目してゆきたい。

以上、日光湯川の禁漁区拡大は現時点で「白紙撤回」であって「禁漁区拡大の中止」ではないことを改めて確認しておきたい。

「禁漁拡大」→二ヶ月で「白紙撤回」というどたばた劇を産み出した背景の分析は、『フライの雑誌』次号第89号に記事化した。

全内漁連HP