第102号の発送が終わったので釣りへ行きました Post:2014/7/142014/7/16Update:2014/7/16 第102号の発送が終わったので釣りへ行きました。先週にひきつづき、今回もマシュマロしばりで。 いつもいる地元の子どもがまたいた。シモへ行ってひとりで釣りたいと生意気を言う。水量が少なめだし何度も来ている川だし周りに大人もいる。危険は少ないだろうと判断。(ご判断の基準は各自でどうぞ)。じゃあ行けば、と言ったら、一人でふらふらしながら川を渡り始めた。その背中。ちょっと心配になって、1時間たって見に行った。川辺で竿を手に持ったままうつむいて、田んぼの棒のように立ち尽くしている。こちらの視線にきづいて動き出したが、わたしの後ろを黙って通りすぎて上流へ移動しようとする。「おい、どした」と声をかけると、こんがらがったハリスをこっちに突き出して唇をかんだ。こんがらがった糸をほどこうとして左手の親指にフックを刺した。すごく痛いんだと言う。よしここだ、チャンス到来。「いいかよくきけ。できないことは恥ずかしいことじゃないんだ。できないことをできるように装ったり、そのままにしてできたようなふりをするのが、恥ずかしいことなんだ。自分でできないことは周りのひとにお願いして助けてもらうことも大切だ。その場合はしっかりお礼を言おう。わかったか。指を見せてみろ。大丈夫だ、痛くない。バーブレスにしておいてよかったな」。説教しながらリーダーを作り直してやり、エルクの12番をむすんであげた。遠隔二人羽織状態で5秒ごとに釣り方を指導して、今日初めての一匹。どうだ。リーダー・グリースをボディ部に塗りたくったマシュマロ・ピューパの#13で。こんな小さな魚でも…がっぷり。マシュマロパターンに関しては、魚はフライのサイズを気にしない傾向がある。「フライに出る」というより「フライを安心して食ってくる」という感覚だ。だからその分フッキングもいい。そこらへん、オリジナル考案者島崎憲司郎氏解説によるマシュマロ・ピューパのタイイングも含めて、『フライの雑誌』第98号のシマザキワールド13、マシュマロ特集に書いてあります。対岸の石の上流の小さな鏡でくわえた。やはりフライフィッシングであるので、遠くでかけたい。遠くで思い通りにかけるとたまらなくうれしい。今日のお昼は七輪じゃなくてカツ丼。集まったおっさんみんなで苦しみながら食べきった。地元の子どもは半分残しておやつにとっておくと言った。まだまだ若いものには負けん。地元の子どもが#8ロングシャンクに巻いたタングステンヘッドの黒のクロスオーストリッチで20センチくらいのニジマスをかけた。そこまではふつうだが、岩陰から60センチくらいの大イワナが全速力の蒸気機関車のように突然出現し、うわっと思ったら、そのハリ掛かりしたニジマスを最初は横ぐわえ、くわえなおして頭から丸呑みしたから大騒ぎになった。地元の子どもが興奮して手も足もぶるぶる震わせながら死闘している図。結局ばれてしまったが、彼にはいい日になったろう。今日のわたしのいちばん大物。まっぴるまにプールの流れ込みで上から#13のマシュマロ・ピューパを流し込んだら三角の口を出したやつ。45くらいかな。 F値2.0の実力で撮った一枚。結局まっくらになるまで釣りしていた。あと一匹、あと一匹と言いながらまだ釣りしている地元の子ども。おーい、もう帰るよー。 『フライの雑誌』第102号表紙写真は島崎憲司郎さんの「マシュマロ・マウス」