紀伊國屋書店書評空間で『朝日のあたる川』が取り上げられました。

紀伊国屋書店の「紀伊國屋書店書評空間 Kinokuniya Booklog」は質の高い書評で評価が高い。なんとその書評空間で、発行されたばかりのフライの雑誌社の新刊『朝日のあたる川 赤貧にっぽん釣りの旅二万三千キロ』(真柄慎一著)をとりあげてくださった

・・・山形の実家にも立ち寄る。じいちゃんばあちゃんに今の自分を説明するが、仕事もしないで車に寝泊まりして釣りする毎日なんてわかってもらえない。お互いに疲れたころ、じいちゃんが言う。「まあよく分がらねげど、体だげ気をつけでな」。続いてばあちゃんが言う。「んだ。体だけ丈夫でな」。

僕のじいちゃんばあちゃんだけじゃなく、こんなふうにひとの生き方をそのままうけいれて健康を願い、自分のできることを差し出してくれるひとがこの日本にはたくさんいます、僕はこの旅でそんなひとにたくさん会いました、ほら見てください、あなたの近くにもきっといるし、あなた自身がそうかもしれない。

真柄さんという方はそういうことを書かないけれども、真柄さんの美しくしなやかに伸びたラインはそういう人々に届いていて、そしてそのことを、私たちはこの本を読んで知ることができるのである。

素敵な書評をくださったのは、四釜裕子さん。詩人にして季刊『本とコンピュータ』(休刊)に参加されていた編集者で今は和光大学表現学部の非常勤講師をされているそうだ。泣きたくなる書評というのに久々に出会った。

日本で新刊が一日に200冊以上も出ているなかで、いくらいいと思える本を作っても、読者に知ってもらえなければなんの意味もない。とてもとても感謝します。

現在なんと『朝日のあたる川』が紀伊国屋書店BookWebのトップページに出ています。

紀伊国屋書店BookWeb