おかげさまで『フライの雑誌』109号の特集◎CDC(カモ尻)大全は評判がいいです。フライショップさんからは「CDCの売上げが上がったよ!」みたいな声も聞きます。ふだんビジネス的なことにまったく疎くて、関係者さんからお叱りを受けることの多い小誌編集部もなんかうれしいです。
今回の特集◎CDC(カモ尻)大全は、色々と目玉記事が多く、というかぜんぶ目玉なんですが、中でもほぼ20年ぶりに寄稿していただいたスイスの宮﨑泰二郎さんの記事には注目が集まっています。現在、CDCが優秀なフライマテリアルとして世界じゅうに伝播している歴史の発端は、1985年に宮﨑さんがスイスから小誌創刊編集長の中沢孝へ送った、たった数本の「ドゥヴォー・スタイル」のCDCフライから始まります(くわしくは第109号を)。
その宮﨑さんから第109号へのご感想をいただきましたので下に一部を紹介すると、
BICKELのフライの写真に、Berufsfischern bestens empfohlen (職漁師に特に推薦する)とドイツ語でコメントされているのが、歴史を感じさせてくれました。もしかしたら1960年以前の写真かも知れませんね。
第109号31ページの「BICKELのフライの写真」(↓)は、特集冒頭にこれまた評判の高い原稿を本誌初寄稿してくださった、あの東知憲さんから提供いただいたものです。ボーッとしている編集部は、写真中のキャプションにまで想いが至りませんでした。
Berufsfischern bestens empfohlen (職漁師に特に推薦する)
スイス・ジュラ地方に産したこれらのCDCフライが、いかに今から50年以上前の釣り人から信頼を得ていたかを物語ります。
なんとも興奮します。
一本の毛バリを通じて、国境も時間も軽々とこえ、見知らぬ釣り人とシェイクハンドしている気分です。