脱走マグロとにんげんだもの。

漁師が「脱走マグロ」と呼ぶ、養殖いけすから海に逃げたとみられるクロマグロがこのところ各地で漁獲され、魚市場にお目見えしている。…脱出してからは運動量が増えるためか「歯応えなどの食感が養殖物より向上している」と築地の仲卸業者。餌に由来する養殖魚特有の臭いも薄くなっている場合が多く、味の評価は上々だ。

時事通信 3月29日(土) 

味は上々、とか言って喜ぶような話題ではないと思う。いろんな意味で。すごく複雑な利害と価値観がからみあっていて、ほどくのは並大抵じゃないっていうか、むりだから。

でも世間一般からみればこういう書き方が受けるんだろうし、これ以上の興味もないんだろう。にんげんだもの。

むかし原発が動いていたころ、原発の廃水口ででっかいロウニンアジを釣って喜んでいた、ナイーブすぎる釣り人もいた。いっぽうで、ひとさまの釣り雑誌の表紙を見て、「どこの養殖魚だ? いいサカナ作ってんなあ。」なんて思う自分が哀しい。

時代が白茶けてやがる。

でもぼく負けない。にんげんだもの。

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