芦ノ湖ルアー・フライ特別解禁3月1日(水) 午前6:30~|フライショップに聞きました  芦ノ湖の魅力は何ですか。

通常解禁は3月2日(木)。
3月1日から3月31日まで、岸・桟橋からの餌釣りは禁止です。

> パンフレット(PDF)

エントリー方法《 参加者全員にステッカープレゼント! 》

各受付にて午前5:00~午前10:00まで。尚、箱根湾(大会本部)のみ正午12:00まで。
◎受付場所
〈箱根湾〉  芦之湖漁協水産センター(大会本部)
〈元箱根湾〉 フィッシングショップ ノザキ
〈湖尻湾〉  芦ノ湖フィッシングセンター おおば
《対象魚・検量基準》
レインボートラウト60cm以上、ブラウントラウト40cm以上、サクラマス40cm以上、
イワナ40cm以上、オオクチバス40cm以上

『フライの雑誌』第107号の芦ノ湖特集を一部紹介します。

特集◎ 再発見 芦ノ湖の鱒釣り

神奈川県箱根町の芦ノ湖はフライフィッシングを
一般の釣り人へ広めた、歴史的にも文化的にも重要な湖だ。
都市圏から近いため、芦ノ湖で
フライフィッシングを覚えたという釣り人は多いだろう。
箱根山塊の雄大な景観の中での釣りはたいへん人気がある。
芦ノ湖は国内では貴重なマスの釣れる自然湖だが
大きな流入河川はなく、マス類は自然繁殖していない。
芦ノ湖で釣れるのはすべて放流由来のマスだ。
マスの釣り場として維持するには人間の管理が不可避である。
観光地でもある芦ノ湖は、早い時期から
漁協が釣り人を意識して釣り場を運営してきた。
芦ノ湖を愛して関わってきた多くの人々の想いを縦軸に、
魚たちの暮らしを横軸に、
’80年代以降現在までの芦ノ湖の姿を振りかえり、
今後の望ましいありようを考えたい。       (編集部)

芦ノ湖は今、どうなっているのか

野津昌生(東京都昭島市)

今までの芦ノ湖
大放流時代からの移り変わり

釣りブームに湧いた湖畔

今から30年ほど前の1980年代、世間がバブル景気で浮かれはじめていた頃、芦ノ湖の水質はよくなかった。観光客や修学旅行生で連日満員の湖畔の観光施設から、未処理の下水が大量に流入していた。

湖水はどんよりと濁り、緑色のねっとりとした藻が岩の表面を埋め尽くし、透明度は最低で数m位にまで下がった。波打ち際にはヘドロが堆積し、ビーチサンダルが埋まって脱げてしまうので、サンダルでは湖岸を歩けないほどだった。

景気の上昇と共に人々は遊び場を求めて野に山に繰り出し、各地のスキー場や海水浴場は客でごったがえしていた。芦ノ湖も例外ではなく、その年間遊漁者数は、1969年の約6千人から、1980年代は平均約7~8万人にまで急増していた。

1980年代末に、バブル景気が崩壊するのと相前後して、空前の釣りブームがやってきた。芸能人がTVのゴールデンタイムにルアーフィッシング対決などを披露して、釣りはおしゃれな遊びとして、若者の間に広まった。主にブラックバスが主役ではあったが、釣り人口1000万人などと吹聴され、各地の釣り場は、にわかづくりの釣り人であふれた。

1993年には、ロバート・レッドフォード監督、ブラッド・ピット主演の、フライフィッシングを格好良く描いた映画「A River Runs Through It」が日本でもヒットし、一般的なホームセンターまでもが、フライフィッシングのタックルセットを販売したりしていた。

ピークだった1996年の芦ノ湖の遊魚者数は年間約23万人で、2014年の年間約2万6千人のおよそ8・8倍である。

湖畔の駐車場は3月、4月の週末ともなると、深夜からルームライトを点けて翌日の準備をする釣り人の車でいっぱいになり、各ボート店の賑わいも大変なものであった。岸釣りも満員盛況で、約20㎞ある湖岸線のいたるところに釣り人の姿が見られた。

遊魚者数の爆発的な増加に呼応するようにして、芦ノ湖もニジマス成魚の放流量を増やし、1996年のニジマス放流量は、年間約150トンにもなった。これは2014年のニジマス放流量約9・5トンの、およそ15・7倍である。

1990年代の芦ノ湖の、マスの成魚放流量の凄まじさは、当時を知るフライマンたちの間では、今も語り草になっている。

異常な量の成魚放流のマスが、湖のいたるところを泳ぎまわっており、1日釣って20匹や30匹の釣果は、別段珍しくもなかった。大型のクーラーボックスを2つも3つも満杯にして、1日で100匹以上のニジマスを持ち帰る餌釣り師の竿が、湖岸にずらりと林立していた。

岸の岩の上に立って湖水を眺めていると、まるで池の鯉のようにマスたちが泳いでいる姿が見られ、ちょっとした釣り堀よりも魚影は濃かったかもしれない。スーパーレインボーと称する大型ニジマスの成魚放流も多く、60㎝以上のニジマスが1日に何匹も釣れることさえ、当たり前に思えた。

釣り方を問わずマスはよく釣れたので、初心者を安心して連れて行ける釣り場として、芦ノ湖は重要な役割を果たしていた。

汚泥を糧として大量に羽化するユスリカの数も半端ではなかった。ハッチの多いときは、ボートの上で腰かけるだけで、何十匹ものユスリカを、お尻でつぶしてしまうほどだった。

そんなときのユスリカへのライズは、それこそ湖面見渡す限り、雨のように広がっていて、顔中にまとわりつくユスリカを、鼻の穴に吸い込まないように気をつけながら、ソフトハックルやドライフライでマスを釣った。釣っても釣っても、延々とマスは釣れ続けた。

放流が減れば、釣り人も減る

大量放流時代の強烈な印象が、芦ノ湖は「成魚放流のマスの釣り堀」という固定観念を植え付けてしまった。

そして釣りブームはいずことも知れず消え去り、芦ノ湖の年間の遊漁券販売枚数(年券・大会券含)は、1998年に約16万7千枚だったものが、2000年に約9万4千枚、2004年には約4万枚と急速に減っていった。

遊漁料収入が急減して、芦ノ湖は放流量を減らさざるを得なくなった。2004年のニジマス放流量は、約36トンである。それでも、現在の芦ノ湖よりはずっと多いのだが、昔のように釣れなくなったことを察した釣り人たちの足は遠のき、芦之湖漁協は困窮した。

そこに成魚放流のマスの単価高騰が追いうちをかけた。最も平均単価の安いニジマスでさえ、配合飼料の急騰で、1990年代とは比較にならないほど値上がりしてしまったのである。

芦之湖漁協は1000円だった日釣り遊魚券を値上げして対応したが、これも釣り人たちの芦ノ湖離れに拍車をかけた。

それでも現在の1300円の遊漁券から人件費などの経費を引くと、レギュラーサイズの成魚のニジマスが数匹買えるくらいしか残らない。大型の成魚のニジマスになれば、ぶっちゃけ1匹持っていかれただけで大赤字なんだよと、芦之湖漁協の野崎茂則組合長は苦笑いする。

芦ノ湖のニジマス成魚放流の量は、年を追うごとに少なくなり、さらに多くの釣り人が芦ノ湖を離れていった。

しかし実は、詳細に月ごとの遊漁者数の変化を見ていくと、近年急減していたのは、主に3月、4月の遊漁者数であることに気づく。

一例をあげると、2004年3月の遊漁券販売枚数は9168枚、それが2013年3月には4612枚と半減に近い。

ところが2004年8月の遊漁券販売枚数は3110枚、2013年8月は2811枚であるから、夏の釣り人は、春の釣り人ほど減ってはいない。

芦ノ湖に背を向けたのは、主に春先、放流直後のマスを狙う釣り人であったことが推測できる。夏から秋にかけてのブラックバスやワカサギの釣り人も、確かに減ってはいるのだが、その減少幅はずっと小さい。 …

(以下、小見出し一覧)

水質改善
芦ノ湖は、きれいになった
いち早くワーム、撒き餌を禁止
美しい主役たち
夢のサクラマス
伝説のモンスター・ブラウン
誰にでもチャンスがある
現在の芦ノ湖
〝きれいなマス〟を釣りたい
難しくなった芦ノ湖
再考・ニジマス成魚放流
成魚放流ニジマスの生態
食いしん坊なニジマスの末路は
減っているブラウンの成魚放流
芦ノ湖のワカサギ網漁の実態
なぜワカサギの接岸が少ないのか
「ワカサギ革命」
きれいなマスを育てたい
芦ノ湖のサクラマス、驚異の成長
九頭竜川のサクラと比べてみる
できることは全てやっておく。(大崎和浩)
サクラマス〝奇跡の稚魚〟
インタビュー野崎茂則さん(74歳) 
60㎝オーバーの芦ノ湖サクラ・ラッシュ
ブラウントラウトの稚魚放流は効果的か
養魚場周辺を禁漁区に
「ブタマス」とキャッチ・アンド・リリース
ブラウンはなぜ大きくなりやすいのか
芦ノ湖イワナの可能性
イワナは厄介者?
エゾイワナは越年する
芦ノ湖にオショロコマ
これからの芦ノ湖
誇り高き湖へ
芦ノ湖はしょせん釣り堀か
漁協、釣り人双方の意識改革を
自分たちの釣り場は、自分たちで守る

…続きは『フライの雑誌』第107号芦ノ湖特集でどうぞ。各方面に話題を呼んだ野津さんの大力作です。34000字、20ページを一挙掲載しています。まだまだたくさんの方に読んでいただきたいと思います。(編集部)

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フライショップに聞きました (敬称略)
芦ノ湖の魅力は何ですか。何を求めますか。

●マスの釣れる自然湖は貴重です。湖の生態系と自然地形を意識した釣りができるのが、芦ノ湖の魅力です。春はボートからならよく釣れるので初心者の方にもおすすめできます。秋は数は少なくとも湖になじんだ美しいマスが釣れます。個人的にはひと気のない岬で釣るのが好きで、そうしたマスとの出会いは忘れられません。難しいとは思いますが通年解禁すればいいのにと思うのがひとつ。湖の周囲に広葉落葉樹が増えてくれればと思っています。
フライフィッシングショップなごみ・遠藤(神奈川県横浜市)

●今の芦ノ湖はかつての管理釣り場のような芦ノ湖とはまったく違います。年越しの美しい魚も多くなって引きも強い。虫のハッチやワカサギの動きを読んで釣りを組み立てられる、日本でも有数の湖のフライフィッシングの釣り場だと思っています。芦ノ湖でいい魚を釣るコツは、なにより静かに釣ることです。魚はどこにでもいます。スペイやアンダーハンドキャストなら釣る場所を選びませんから、人の入っていない場所へ入ることができます。
ループ・トゥ・ループ・横田(東京都武蔵野市)

●学生時代にノザキボートでフライを教えてもらったのが始まりで、ずっと通っている。釣り人の腕の差が明らかに出るのが面白い。ボート屋さんで知り合った常連さんからコツを教えてもらったりと、釣り人同士の交流の場となっているのも大きな魅力。入門にもいいし奥も深い。これからも釣り人を成長させてくれる芦ノ湖であってほしい。
アウトドアワールドつきみ野店・宮坂(神奈川県横浜市)

●昔は管理釣り場的でしたが最近は放流量が少なくなって、きれいで大きい魚が釣れるようになりました。ジャンプするニジマスもいて楽しいですね。個人的に好きな釣り場です。春にボートで沖に出れば回遊コースを釣れるので比較的かんたんに釣れます。ウエーディングできるポイントが多くなってくれれば、釣り人も増えると思います。
アウトドアワールド厚木店・山田(神奈川県厚木市)

●3月から5月をメインに通っています。ここ4、5年はちゃんと釣ればきちんと答えを返してくれる、いい湖になりました。昔の大量放流の時代が異常でした。カウントダウンできっちり魚の泳層にタナを合わせることが大切です。大都市からこんなに近くていい釣りができる、世界でも有数の釣り場だと思いますよ。サクラマスがもう少し釣れてくれるようになると、ファンがもっと増えると思います。 
バートン・川条(神奈川県厚木市)

…続きは『フライの雑誌』第107号芦ノ湖特集でどうぞ。

第107号芦ノ湖特集より
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芦之湖漁業協同組合さんから
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