表参道で危機一髪

◯昨日まで上州山中の温泉へ一泊で行って来た。完成なった『フライの雑誌』第87号のお疲れ会ということで、お湯につかり手足をのばす。これがあるから無理もできる。

一晩ゆっくりしたあとは、朝食もそこそこに車を飛ばし、上流域にあるお気に入りの管理釣り場へ出かけた。せかせかと竿をつないでえいやッと意味もなく遠投し、水面に浮かぶ毛バリを水に穴があくほど見つめ、確率の低い大アワセを繰り返す。

昼食に出前してもらった親子丼は水辺で竿を持ったままかきこんだ。時々「出た!」とか叫ぶたび、米粒が口から吹き出る。がんばったかいあって、いい魚がたくさん釣れた。浮かせて釣れるときに浮かばさずしてなにがフライフィッシングか。

日々、釣りのことを考えない日はないというのに、たまの休みも釣り、アクティビティは必ず釣り。いつのまにかとんでもなく偏向した親父になってしまった。家族には少しだけすまない気もする。でも喜んでるみたい。教育がうまくいった。

◯表参道のイルミネーションが11年ぶりに復活したというニュースがテレビで流れた。
「うわぁ、あそこを歩いたのって、もう11年も前になるのか。」
と走馬灯のように記憶を走らせかけたら、
「そうみたい。残念なお知らせですけどね。」
と、11年前には知り合っていなかった人が横を向いたまま言った。

私無言。

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