『フライの雑誌』は毎号読者カードを挟み込んでいますが、ご意見・感想を送っていただく戻り枚数は、一般の雑誌に較べて、たいへんに多い方だと思います。それがなんと、最新の第100号記念号については、通常の5倍増しでいただいています。ハガキを重ねると、#8のラージアーバー・リールを立てておいたくらいの厚みがあります。
ちなみに細かい話ですが、小社は読者カードを「送料受取人払い」にさせていただいています。だから、郵便屋さんがピンポーン来るたびに「はーい」と手数料込み70円を握りしめ、階段を駆け下りていく毎日です。
第100号記念号には、川本勉さんの「フライ業界サイドビュー」を掲載しました。書き手の川本さんは言わずと知れた瀬戸市の老舗フライショップ、FLYイナガキの代表です。古今東西のフライフィッシング・オールジャンルに通暁した名フライキャスターで、耳に痛いことでもはっきりモノを言うフライ業界のご意見番として知られています。
「フライ業界サイドビュー」は、100号掲載記事のなかでも、ひときわ問題作ではないかとの、スタッフ側での前評判が高かった一本でした。なにが問題なのかは読んでいただければ分かりますが、ふつうは一般の商業誌はぜったいに掲載しない(掲載できない)記事とだけ申し上げます。そこをふつうに載せちゃうのが『フライの雑誌』というわけです。
じつはこの「フライ業界サイドビュー」、今号の読者カードの〈印象に残った記事3つ〉の中で、かなり高い位置につけています。皆さんが書いてきてくださるひとことには「よく言ってくれた」とか、「そのとおり」といった記事内容への同意と肯定のご意見ばかりです。
いろいろな意見が入り乱れるのが雑誌の面白いところですが、編集部としてはおそらくフライフィッシング・ギョーカイ的には大いに〝問題のある〟この作品への、本誌読者のごくまっとうで、かつフライフィッシングへの愛にあふれたご反応へ触れるにつけ、「『フライの雑誌』続けていてヨカッタ」と感じ入る次第です。
このような読者の皆さんとの意義あるコミュニケーションがはかれるならば、「送料受取人払い手数料込み70円」なんかちっともいたくありません。いっそ1000通でも10000通でも読者カードが戻ってきてくれたらいいのにと思います。70円×10000通なんて、いったいいくらになるのでしょう。700万円? なにもそこまで戻ってこなくてもいいかな。
というわけで、FLYイナガキさんが『フライの雑誌』第100号記念号を追加してくださいました。明日納品します。
なんだか第100号記念号は『フライの雑誌』本誌では久しぶりに、なつかしい「品切れ」の三文字が透けて見えてきたかもしれません。(まだ大丈夫ですけれど)
話題の新刊『バンブーロッド教書』のご予約は、『フライの雑誌』第100号記念号の読者カードでどうぞ。