おかげさまで、小社単行本『イワナをもっと増やしたい!「幻の魚」を守り、育て、利用する新しい方法』(フライの雑誌社新書)が残りわずかとなりました。新進気鋭の研究者中村智幸氏のはじめての単独著書である本書は、2007年12月20日の初版発行直後からとても評価が高い一冊です。
季刊『フライの雑誌』の中村智幸氏の連載「イワナをもっと増やしたい!」を下敷きとし、単行本化にあたってより分かりやすく楽しめるように構成を変え、大幅に加筆しています。本書により、それまで知られていなかった〈人工産卵場造成〉という渓流魚の最新の増殖方法を、世の中へ広く紹介することができました。手にとりやすい新書判の採用も功を奏した形です。
本書発行以来、全国各地で釣り人、地域住民、漁協、水産行政による渓流魚の人工産卵場造りの輪が広がっています。ある意味でブームともなっているようです。『フライの雑誌』第87号「トピックス」欄では各地の事例とともに、人工産卵場について中村氏が当初から抱いている〈懸念〉も、『イワナをもっと増やしたい!』の本文から引用するかたちで紹介しています。渓流魚の人工産卵場を造りたいとお考えの方は、ぜひその〈懸念〉を熟読ください。
中村智幸氏著『イワナをもっと増やしたい!「幻の魚」を守り、育て、利用する新しい方法』(フライの雑誌新書)の初版は、あとわずかでなくなります。第2刷は年明け1月から配本します。まだお手元にない方にぜひお薦めしたい、面白くてためになる〝イワナのあたらしい定番書〟です。