「釣りはいくらやっても釣りでしかない。いくらやってもきりがない。」と創刊編集発行人の中沢孝氏が言っていた。だから釣りは適当にやっておけばいいんだとも、だからこそとことんまでやってみたいよね、とも聞こえる。わたしは後者の意としてとらえた。そしてこんな感じになっている。わたしの釣りなんか少しも「とことん」ではないことを、今はよく分かっている。
(『葛西善蔵と釣りがしたい』 109頁)
進行予定の崖っぷちを必要以上にアピールして、のんびりやの寄稿者さん達へ強めの督促を繰り出しておき、そのスキに自分は川へ行ってしまうという、釣り雑誌の編集者の真骨頂を発揮してきた。