『フライの雑誌』第76号「発言!」で、長野県諏訪湖における遊漁料値上げにまつわる一連の「遊漁者をコケにした」(文中より)騒動について、水口憲哉氏からの報告があった。
その原稿で、諏訪湖のワカサギ採卵不調を釣り人の釣獲圧によるものとして、2006年にワカサギ釣りを禁漁とした諏訪湖漁協と長野県の決定について触れられていた。今年2007年も連続でワカサギ禁漁の措置をとった諏訪湖であったが、今春の採卵も不調で、予定の10分の1の量しかとれていないとのこと。
この件について、地元長野の産経新聞が「確たる原因を分析しないままの全面釣り禁止は安易だったのでは」として、『釣り禁止の意義に疑問の声も』という記事を掲載している。諏訪湖に限らず、釣り人が釣らなければ魚が殖えるものではないのだが、弱い相手や反発してこない相手をやり玉にして自己を正当化したがる構図が分かる。
産経新聞によると、諏訪湖は例年全国120の湖沼から注文を受けて、約16億粒のワカサギ卵を各地に出荷販売してきた。もともと諏訪湖のワカサギじたいが移入種であるわけで、それをさらに全国的にばらまくなど生物多様性の観点からすれば大問題のはずだ。近年生物多様性の保全に熱心な環境省の意見をうかがいたいところである。