馬場伝説、セーラームーン、缶の味噌汁 Post:2014/12/62014/12/7Update:2014/12/7 高円寺、阿佐谷。 久しぶりの阿佐谷。この駅前の巨大墓石みたいな超高級マンションが出来る前、この場所には「アコヒーダ」という昭和の素敵な喫茶店がありました。あの頃はよかったな。墓石の地下駐車場からぬおーと顔をのぞかせるのはぜんぶ超高級外車ばかりなんですって。向かって左側の墓石には聖子ちゃんが棲んでるといううわさあり。まじすか。この墓石に? 聖子ちゃんが? せいぜいSAYAKAくらいじゃね? 墓石墓石失礼ですよ。ぷんぷん。 先日荻原魚雷さん(本誌最新第103号にもご寄稿)に「いいですよ」と教えてもらった、旧中杉通りの古書コンコ堂さん。品揃えきっちりだった。もう少し値づけ高くてもいいんじゃないか。「全日本プロレス監修・馬場伝説」と「薔薇族編集長」を同時購入。店内が楽しくて勢いで買ってから気づいたけど「薔薇族編集長」は前に読んだことあった。ちぇ。その足で高円寺へ移動。阿佐谷アニメストリート、超閑散。セーラームーンのコスプレ衣装がガード下のすきま風にひらひらと揺れている。 高円寺から戻ってきて阿佐谷吐夢。コンコ堂での戦利品を自慢したら「その2冊の同時購入には別の意味を読みとられたかもしれないね」と言われた。馬場伝説と薔薇族。あ、そうかと気づいた。時すでに遅し。不気味な「缶の味噌汁」が阿佐谷駅の自販機に新しく入ったから、ホリウチくん人柱で買ってみて、と言われる。吐夢さんにはわたしは若いころからいろいろとお世話になっている。断れない。お店を出ての帰り道で素直に買った。わたし勇者だ。「とうふ・わかめ入り」ですって。あったかい。だってお味噌汁だからね。墓石に捧げよう。 JRのホームで売ってるんだから移動中に飲んでもいいとってことだよね、と吐夢で話していたので、あえて車内に持ち込んで、缶の味噌汁開封の義。お味噌の匂いを大切にしたいから広口アルミ缶採用。ちょっとどきどきしながら、ふたをパキッ。 お味噌くさい。お味噌汁だ。だってお味噌汁だもの。賽の目に切ったとうふのくずと濡れたかさぶたみたいなわかめが、化調ばりばりのお味噌の匂いと渾然一体となって、口の中へどろどろと土石流のようになだれこんでくる。うおおお。広口アルミ缶採用が完全に裏目だ。電車の床に一滴でもこぼしたら犯罪だ。くしゃみでバブッとか吹いたら懲役。2010年から売ってるらしいが伊藤園さんはずいぶんニッチでチャレンジングな企画を商品化したものだ。酔っぱらいがネタで買うだけだろ缶の味噌汁なんて。 飲み干してやったさ。おいしかったかって? 缶のお味噌汁だよ。これを飲み干せるのは勇者なわたしとチャック・ノリスだけ。 吐夢さんにあります。残1冊。