鮎川湖はワカサギ数釣りパラダイス(1)

『完本なるほどTHEワカサギ大全』(つり人社)によれば、ワカサギ釣りがいまブームなのらしい。ワカサギは釣って愉しく、見て美しく、食べてこのうえなく美味しい魚だ。

先日出かけた閉店間際の上州屋さんでは、若いカップルが真剣なまなざしでワカサギ釣りの仕掛けを選んでいた。どこに行くんだろう。ドーム船ならトイレ問題もないしTシャツ1枚で過ごせる暖かさだ。魚の生臭さとウジ虫のうごめきと、赤虫の汁が指先に染みついてとれないことを気にしなければ、若い女の子を連れ出すデートにワカサギ釣りは最適である。って、けっこう高いハードルだな。

今シーズン、不本意ながらワカサギ釣りの貧果が続いている我が家では、昨日、群馬県へ勇躍遠征してきた。『完本 なるほどTHEワカサギ大全』に〈10束釣り続出の数釣りパラダイス!〉と紹介されていた、藤岡市の鮎川湖である。フライフィッシングには縁遠い言葉なので解説しておくと、1束とは100匹のことで「いっそく」と読む。10束なら1000匹である。鮎川湖ではワカサギが1000匹も釣れるらしい。尋常ではない。たいへんなお知らせだ。

じつは家人は、昨年はじめてワカサギ釣りに出かけてからというもの、ワカサギ釣りに関してはなぜか私よりはるかに熱心になってしまった。『完本 なるほどTHEワカサギ大全』と『なるほど! THEワカサギ大全Neo』を連日夜更けまで読み込んでいる。今回は「じゅったばだって。じゅったば。」と、夜明け前に車に乗り込み出発する時点で、すでにホクホク顔である。どうやら私に数で勝つつもりでもいるらしい。かかってきたまえ、こっちは何年釣りやってると思ってるんだ。当然のことながら私は余裕である。

主婦の期待をのせて車は関越道をひた走る。自然相手なのだからあまり期待しすぎてはいけないよ。とはやる素人さんを諌めながらも、じつは私も(1000匹釣れたらどうしよう。)と心中うちふるえていた。鮎川湖はなにしろ〈数釣りパラダイス!〉。頼むよつり人社さん。まさかウソ載せていないよね。アクセルを踏む足に知らず力がこもる。

驚愕の結果は、また今度。

鮎川湖では桟橋釣りもできる。安全、気楽。
鮎川湖では桟橋釣りもできる。安全、気楽。