10.2「湯川リバークリーン」に参加取材してきました。

●去る10月2日(土)、日光湯川での釣り人による川の清掃活動「湯川リバークリーン」に参加取材してきた。

●『フライの雑誌』では今春からの日光湯川禁漁区拡大騒動を、誌上で連続してとりあげている。最新90号では、湯川を管理する独法中央水産研究所と全国内水面漁業組合連合会の本件に関する対応を、かなり批判的にとりあげている。言いっぱなしではよくないと、今回の編集部は気合いが入っていた。がんばってゴミ拾うぞと。

が、湯川赤沼茶屋前に朝9時の集合ということで日野を6時前には出発したところ、首都高速でいきなりの事故大渋滞に巻きこまれた。板橋で渋滞85分の表示にもううんざり。下道に迂回して浦和から再び高速で急いだものの、現場についたときはなんと5時間半後の午前11時。赤沼茶屋の駐車場待ちでさらに30分かかった。

●けっきょく湯川の畔にたどり着いたときには、ほぼ清掃活動も終了し、参加された皆さんはヤツモモウラの木道で、和やかに談笑されているところだった。湯川にはもともとゴミは少ない。私はゴミひとつ発見せずに、そのまま赤沼茶屋へUターンすることになった。早起きしてガソリンばらまいて高速飛ばして、いったい何をしにきたんだろう。

途中、現場で積極的に活動されていた全内漁連の方に「ごくろうさまです」とあいさついただいた。「ごめんなさい、なにもしていません」と答えるのもずっこける感じで、はなはだ恥ずかしくバツが悪かった。

●午後になって、中央水産研究所の日光支所内で参加者どうしの「懇親会」が開かれた。

冒頭、中央水産研究所の業務推進部長氏が、ここまでの禁漁区拡大騒動について、「皆さんにはたいへんご迷惑をおかけして申しわけありませんでした」と陳謝した。

懇親会では活発な意見のやりとりが行われた。日光パークボランティアからたったひとりだけ参加された方からの熱意ある発言など、とても充実していた。湯川における水研の研究報告、全内漁連による湯川を利用した環境教育への新しい取り組みも発表された。今後の具体的な展開が期待される。

●本来なら禁漁区拡大騒動の理不尽さに対しての不満の声が出てきてもよい場であったのに、参加されたフライマンをほとんどとする釣り人の方々は、より良い今後へ向けて前向きな姿勢だった。とても気持ちのよい雰囲気だった。水研と全内漁連からは今年度中で予定している具体的なアイデアも、いくつか提示された。

編集部では中央水産研究所の担当部長氏に、「禁漁区拡大騒動で不安になったのだが、水研は釣り人に湯川へ来て欲しいのか、欲しくないのか」とシンプルな疑問をぶつけた。すると力強く「当然、来ていただきたいと思っています」との答えをいただいたことを、ここに報告する。

●この「湯川リバークリーン」と懇親会のくわしい内容については、次号の『フライの雑誌』誌上で記事化する予定だ。自然を守りながら利用してゆくための方策は、必ずある。

10.5.追記: 全内漁連がJTBと組んでの「全国コンビニ遊漁券販売システム」については、全内漁連の担当者の方にその導入の意図を直接おたずねした。また、魚の放流が行われていない湯川での巨額な「釣魚券」の使途が公開されていない状況には変わりはない。『フライの雑誌』次号では、そこらへんもふくめて、お伝えしたいと考えている。