中禅寺湖「5/1 岸釣りキャッチ・アンド・リリース試行」が危うい。(4.25追記)

栃木県4/20発表

中禅寺湖のヒメマスから169.8Bq/kg、ニジマスから147.2Bq/kg、ブラウントラウトから156.4Bq/kg。

この結果を受けて、中禅寺湖漁協が5/1に予定していた「岸釣りキャッチ・アンド・リリース解禁試行」の見込みが危うくなっている。中禅寺湖漁協の公式ブログからの情報は以下の通り。

行政等各関係機関との協議の結果、区域・時間を制限したキャッチ&リリース試行する運びとなりました。実施にあたりましては種々の制約が以下の通り付加されますが、中禅寺湖での釣りを楽しみにしている方々のご理解とご協力を頂きながら将来を見据えた形でのぞみたいと思います。待ちに待った多くの遊漁者の方々に“マス釣りの聖地”中禅寺湖での釣りを存分に楽しんで頂くためにも、遊漁者並びに関係機関のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。(4.16)

栃木県で4月19日にモニタリング検査を実施するに当たり、分析の結果100を超えた場合は、国から出荷制限指示が出る可能性が強い。その場合は、キャッチ&リリースの実施は原則的には出来ないことになる。協議によってキャッチ&リリースの実施の可否が決まるので、現在予定している5月1日のキャッチ&リリース試行が出来るとは限らない。これに対して栃木県では、水産庁を通じて厚生労働省にキャッチ&リリースを可能となる様、働きかけするとの、話があった。(4.17)

4月18日、19日の二日間モニタリング検査を実施いたしました。ヒメマス=169.8ベクレル 前回195.7ベクレル、ニジマス=147.2ベクレル 前回168.9ベクレル、ブラウントラウト=156.4ベクレル 前回280ベクレル。以上100ベクレルを下回らなかった。「岸釣りキャッチ&リリース試行」開始に向けて、栃木県・水産庁・厚生労働省とただいま協議中です。国の原子力対策本部から出荷制限が掛かった場合、5月1日予定の「岸釣りキャッチ&リリース試行」が実施できるか定かではない。後日協議の結果を栃木県から連絡があります。(4.20)

もちろん漁協には、中禅寺湖の魚の放射能汚染に関してなんら落ち度はない。まったくの被害者だ。目の前に湖があるのに、魚が泳いでいるのに、釣り人を呼べない悔しさは想像するにあまりある。観光業者さんやボート屋さんにとっては釣りを解禁できるかどうかが生活に直結する。

現在行われている魚類の放射性物質検査は場あたり的で、出たとこ勝負の汚染魚のロシアンルーレットだ。法律を遵守していますという行政のアリバイ作りでしかない。漁協や釣り人が砂を噛んで行政に「リリースを前提に解禁をお願い」しても状況は抜本的には改善しない。

中禅寺湖を利用して生活するため、たのしい釣りを続けるため、次世代によりよい釣り場を残すために、なぜこのような事態が引き起こされたのかの本質を問いかけるべきだ。さしあたって東電による補償は当然なされなければいけない。

4.25追記
※中禅寺湖漁協発表〈5月1日(火)より「岸釣りキャッチ&リリース試行」を実施できる運びとなりました〉漁協HP
「岸釣りキャッチ&リリース試行」レギュレーション 

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