次号112号オイカワ/カワムツ特集取材日記19 「これ、ちょっとおかしい」篇

次号112号には、最新第111号で大注目を集めている対談、「画家の視線とシマザキワールド 中村善一×島崎憲司郎」の後篇を掲載します。

後篇では、重力を操るシマザキ式フライキャスティングと、自然を見つめる視点、アートとフライタイイングの交叉、周囲の声にとらわれない独創の力強さなど、話の裾野はさらに広がってゆきます。

ただいま絶賛編集中ということで、素材を整理しています。過去の誌上に掲載した島崎憲司郎さん関連の写真の中で、112号にも再掲したい興味深いカットを少しだけ紹介します。

フライの雑誌-第107号「特集2◎シマザキフライズ × I.F.F.F. in 桐生2」より。見えますか、オレンジ色のフライラインが。これ、ちょっとおかしい。憲司郎さんが手にしているのは、5フィート6インチの羽舟竿。ロッドティップが完全に下を向いている。でもフライラインは上方向へのびやかにループを描いている。フライキャスティングのセオリーを完全無視しているのに、ごく当たり前にラインがあり得ない勢いで、生きているみたいに空中をぶっ飛んでいる。これはやはり「シマザキキャスト」というほかない。居合わせたIFFFのフィリップ・グリーンリーさんとクニ・マスダさんの目も点になっていた。ちなみにグリーンリーさんはこのとき、初めて手にしたこの5フィート6インチの個性的な羽舟竿を、2m近い巨体でひと振り目から見事に操った。「短くて柔らかいロッドが好きなんだ。」とニヤッとしていた。うわー、この人もふつうじゃない系の釣り師だなあ、という感じ。
単行本『バンブーロッド教書』(永野竜樹 =訳 フライの雑誌社 =編 )236頁より、バンブーロッドビルダーになる決心をしてから三年目の頃の中村羽舟さん(当時69歳) のかっこいいショット。羽舟さんは高度な伝統技術ときわめてラジカルな発想をあわせもつ現役世界最高齢のバンブーロッドビルダー。竹竿作りの当初から島崎憲司郎さんが伴走者をつとめている。
フライの雑誌-第83号「シマザキワールド番外編 島崎憲司郎2008」より 桐生川でのハヤ釣りの風景。釣り師は黙って首タオル。暑い日だった。
同83号より、ハヤ釣りにも絶大な威力を発揮するユスリカのハッチマッチャー「セパ・ミッジ」(『水生昆虫アルバム』72頁初出)のイメージスケッチ
【発行なる!】バンブーロッド教書[The Cracker Barrel] 竹の国の釣り人たちへ。
【発行なる!】バンブーロッド教書[The Cracker Barrel] 竹の国の釣り人たちへ。|永野竜樹訳・編著|島崎憲司郎 書き下ろし寄稿
第111号(2017)よく釣れる隣人のシマザキフライズ とにかく釣れる。楽しく釣れる。Shimazaki Flies すぐ役に立つシマザキフライの実例たっぷり保存版! Amazonさんに在庫があります。マシュマロ、バックファイヤーダン、クロスオーストリッチ、アイカザイムなどシマザキフライ関連掲載記事のバックナンバーは111号にまとめました。ずっと品切れだったのに今ごろ大量追加。それが密林のやり方か。保存版です。まだの方ぜひお手にどうぞ。
『水生昆虫アルバム  A FLY FISHER’S VIEW』島崎憲司郎(文・写真・イラスト) 1997年初版、2000年第2版2刷、2005年に新装版。フライフィッシングの世界観を変えたといわれる古典。


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