アイカザイムにドバシャッ!

この季節の夕方になると、川面で型のいいアユがバンバン跳ねる。あれを自由自在に、フライフィッシングで釣れる方法を発見できたらノーベル賞ものだと、前々から考えている。

のだが、バンバン跳ねているアユを狙って、フライフィッシングでいくらがんばっても完全スルーされるのは、多くの諸氏がお試しの通りだ。日本のアユ釣りで、友釣り、コロガシ釣りといった引っかけ釣法が発展してきた理由を、思い知らされる結果となる。

わたしの場合、地元の川でフライフィッシングを何年もやって、オイカワとカワムツは何千匹と釣ってきたけれど、アユをフライで釣ったのは、交通事故と思われるわずかに1尾だけだ。ほんとはアユも釣りたいのに。

アユが釣れないのがくやしくて、わたしはあえて毎年、「あゆ」込みの、高額な方の年間遊漁券を購入している。いつか釣ってさしあげましょう、という意気込みのあらわれだ。李下に冠をたださずと言いたいところだが、どこかの国の首相が使ってから使いづらくなっちゃった。

今日は、強い瀬に上流から流しこんで微妙に誘っていたストレッチ式アイカザイムの20番に、ドバシャッ! という感じで魚が出た。そのまま荒瀬の中を上流へグイグイ上っていくので、超巨大なオスのオイカワかと色めき立ったが、取り込んでみたらアユだった。

水面を跳ねている連中を狙ったわけではないので、交通事故には変わりない。

でもやっぱりうれしい。

なんでも思い通りになるのなら、釣りなんかしなくていい。思い通りにならないから、釣りなんかしてる。

イワシヤマベ級。このサイズがかかると2番のグラスロッドがバットからひん曲がる
今日はストレッチ式アイカザイムがよかった。昨日よかった「ホタル」は今日は全然だめ。面白いなあ
きれいな魚。そしてすごく引く。一匹釣っただけなのに、「ひょっとしてアイカザイムでむにゃむにゃすれば、アユいけるかな」みたいに、もう調子づいてしまうのが釣り人の性
今日のために全魚種券を買い続けてきたのである
ここ数日、色々と思うところがある。まだ明るいうちに釣りをやめて、川の中に立ったまま、しばらく水の流れを眺めていた
フライの雑誌-第112号 フライの雑誌大特集オイカワ/カワムツのフライフィッシング(2)
身近なビッグゲーム 中村善一×島崎憲司郎 異分野対談 
画家の視線とシマザキワールド 後篇
○ニジマスものがたり 最終回 ─研究者として、釣り人として 加藤憲司
○連載陣も絶好調
・・・
『フライの雑誌』第112号
本体1,700円+税〈2017年7月31日発行〉
ISBN 978-4-939003-71-4 AMAZON
『フライの雑誌』第106号|〈2015年9月12日発行〉| 大特集:身近で深いオイカワ/カワムツのフライフィッシング─フライロッドを持って、その辺の川へ。|オイカワとカワムツは日本のほとんどどこにでもいる魚だ。最近になって、オイカワとカワムツがとても美しく、その釣りは楽しく奥深いことを、熱く語るフライフィッシャーが増えている。今号ではオイカワとカワムツのフライフィッシングを、大まじめに真っ正面から取り上げる。この特集を読んだあなたは、フライロッドを持ってその辺の川へ、今すぐ釣りに行きたくなるでしょう。 新連載 本流の[パワー・ドライ] Power Dry Flyfishing ビッグドライ、ビッグフィッシュ|ニジマスものがたり
『フライの雑誌』第106号|〈2015年9月12日発行〉 品切れ
大特集:身近で深いオイカワ/カワムツのフライフィッシング|オイカワとカワムツのフライフィッシングを、大まじめに真っ正面から取り上げました。この特集を読んだあなたは、フライロッドを持ってその辺の川へ、今すぐ釣りに行きたくなるでしょう。
新連載 本流の[パワー・ドライ] Power Dry Flyfishing ビッグドライ、ビッグフィッシュ|ニジマスものがたり
第111号(2017)よく釣れる隣人のシマザキフライズ とにかく釣れる。楽しく釣れる。Shimazaki Flies すぐ役に立つシマザキフライの実例たっぷり保存版! Amazonさんに在庫があります。アイカザイム、マシュマロ、バックファイヤーダン、クロスオーストリッチなどシマザキフライ関連掲載記事のバックナンバーは111号にまとめました。