待ちに待った解禁がやっときて、まとまって出るはずのコカゲロウがパラッとしかでなくて、オオマダラカゲロウのスーパーハッチをみごとに外し、暑い暑いと出渋っているうちにテレストリアルの夏が駆けぬけ、あっというまに、本当にあっというまに、渓流釣りのシーズンが終わった。
秋の入口の一日、今年も秩父の山のなかで、仲間とヤマメとイワナの人工産卵場をつくった。
本来なら放っておいて魚が増えるのが一番だけれど、物理的な諸条件で渓流魚の産卵場所が少なくなってしまっている。そこで人間が手伝って産卵に適した条件の場所をふやし、イワナやヤマメに気にいってもらって卵を産んでもらおう、というのが人工産卵場の発想。
もとはといえば、人間が森を荒らし、ダムとか堰堤とか護岸を乱造し、バンバン殺しまくったせいで魚が減った。だから自然保護だとかコンサベーションだとかといって胸を張れる善行ではなく、むしろ申し訳ないですという反省の気持ちでいっぱいの、刑務作業みたいなものです。














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身近なビッグゲーム 中村善一×島崎憲司郎 異分野対談
画家の視線とシマザキワールド 後篇
○ニジマスものがたり 最終回 ─研究者として、釣り人として 加藤憲司
○連載陣も絶好調
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『フライの雑誌』第112号
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