毎日新聞地方版(2017年11月15日)の記事から。
琵琶湖でのブルーギルやブラックバスなどの外来魚釣りについて、三日月大造知事は14日、有料化を検討する意向を示した。..
この日の県首長会議で宮本和宏守山市長が「釣り客はゴミも出すなど琵琶湖に負荷をかけており料金を取るべきだ」と提案し、三日月知事が答えた。..県琵琶湖保全再生課によると、今年度は調査費として300万円の予算を計上し、レジャー客ら利用者に負担を求める事例を調査。山梨県の河口湖では地元の富士河口湖町が「遊漁税」としてコンビニなどを通じて徴収しているという。..
県内でもアユ釣りなどで漁協などが料金を徴収する例はあるが、琵琶湖では行政が直接徴収する例はない。県は約10年前に「湖面利用税」を検討して頓挫。.. 【大原一城】
「琵琶湖の釣り客に税金」の記事をネット上に載せたのは今のところ毎日新聞だけ。たぶんこの記者は漁業法のことも漁業権のことも外来生物法のことも、全然分かってないで書いてる。
先例で河口湖の遊漁税を挙げてるが、遊漁税導入以降に河口湖人気は急下降している。行政が庶民から絞り上げるカネの実効性まで突っ込まないと、新聞はただの権力の提灯持ちだ。
記事のタイトルになっている「琵琶湖 外来魚釣りの有料化検討」は、本来なら行政的にまるで無理スジの発案。だけどさいきんの国内外の政治情況は論理とか倫理とかがほぼほぼ崩壊しているのは衆知のとおり。
まして、いわゆる外来魚問題にまつわる日本社会の大勢は、小池百合子の特定外来生物法「あたしが決める」ゴリ押し以来、ずっと政治と科学とカネがぐっちゃぐちゃだ。(上の記事が典型例)
だから、このまるで無理スジのぶちあげが、むちゃくちゃな経過をたどって、新税になるのか釣り人への自主的な名目の協力金要請になるのかは別にして、何らかのかたちにならない可能性が、ないとはいえない。とくに琵琶湖の場合は。
バス釣り雑誌は知事と県庁に速攻取材すればいい。行政が釣り人からカネをとろうとするときに、どんな論理展開で攻めてくるのかは、河口湖遊漁税関連の『フライの雑誌』での過去記事が参考になると思います。
バス釣りで暮らしてる人たちは早めに対応したほうがいいでしょう。いちばん力あるはずの釣りビジョンさんは、たぶん何もしないと予想します。
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> 河口湖遊漁税関連の過去記事再掲
その1|釣り人はなぜ税金を払うのか(2001)|フライの雑誌社
> 河口湖遊漁税関連の過去記事再掲
その2|遊漁税の導入から7年、河口湖は「よい環境」になったのかどうか(2008)|フライの雑誌社
> オホーツクから来た男と河口湖へ行く(2009)|フライの雑誌社