向こう一ヶ月の、オイカワ/カワムツのフライフィッシング予報をお届けします。
日野あたりのオイカワとカワムツは、春まで瀬にいません。本流すじの瀬を流してもアタリは遠いでしょう。基本は浅くて流れのゆるいトロ場が狙い目です。流れはわずかでもあったほうがよいようです。
瀬に魚がいないのですから、流しバリの釣りはおすすめいたしません。ドライフライの選択になります。細いボディにソラックス風にCDCをちょこんとのせた、シンプルなパターンがあれば充分です。
夏から秋にくらべれば魚体も小さいため、フックサイズは20番を中心に、24番くらいまで用意しましょう。釣り場の色具合に応じて、明るめと暗めのトーンがあると釣りやすくなります。
この季節は午後から風が強くなる傾向があります。水面が波立つとライズはありません。「ライズがあるまで竿は振らないモン。」などと、聞き分けのないくまモンみたいなことを言うのはやめましょう。ボウズをくらうでしょう。
ライズがなくても、とろっとした浅場へドライフライを流せば、魚がいれば水面へ反応してくれるはずです。ひとところでねばるよりも、よさそうなポイントをどんどん足でかせいで探した方が、よい結果につながるでしょう。
湧き水が染みだしている分流や、水温がたかめの支流には、魚がゴチャッと団子でかたまっている場合があります。「ほかより水温が高そうな浅場」がキーワードです。童心に帰って、忍者のように近づきましょう。
この季節、小春日和のお昼前後は、ご近所の川でオイカワ/カワムツのフライフィッシングはいかがでしょう。
海と魚と人の処方箋
2025年1月発行
四六判 192頁
ISBN978-4-939003-98-1
定価 2,200 円(本体2,000円)
水口憲哉
Kenya Mizuguchi
東京海洋大学名誉教授
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