「クローンだからさ。」

「わあ、きれいな桜並木。なんで一斉に咲くんだろうね。」というロマンチックかもしれないフリに、「クローンだからさ。」と言うとつまんないし、嫌われるし、言った本人もやや気持ち悪いので注意しましょう。

ソメイヨシノがぜんぶクローンなら、ひと目何千本状態は 「マルコヴィッチの穴」のポスターとか、「クローンリキッドごくう」で増殖したのび太とか、アンパンマンの「たんこぶまん」がどわーっとはびこってるようなものか。そりゃあ死体が埋まってるんじゃないかとか不吉な心持ちになっても不思議はない。そもそも生物多様性警察はなにをやってるのか。きれいなら何をやっても許されるのか。
昨日の取材(釣り)。景色はきれい。
最後まであきらめずがんばりました。
葛西善蔵と釣りがしたい』 フライは投げるが人生は投げない 堀内正徳=著

ISBN 978-4-939003-55-4
B6判 184ページ/本体1,500円
青森県近代文学館選定図書