忍野でリリースについてかんがえた

大物かけて取り込みに苦心してる人に網ですくってあげたら岸へズリあげようとするんで、「食べるの?」と聞いたら「食べない」。だったら水からあげないであげてと言っても分ってない風なので、網ごと奪い返して水へ戻した。そしたら撮影した後に魚をぎゅっと握って川へドボンと放り投げた。

とうぜん魚はそこらへんでしばらくヨタヨタしてた。

自分もその場でつい控えめにひとこと言っちゃったけど、全然悪びれる様子もなかった。格好も道具も立派で釣りも上手だったのに、中身は素人さんだった。

リリースの方法なんて今まで何千回・何万回・何億回も世界じゅうで語られてる。でも届かない人には届かない。

べつにだれかが自分ちの池の魚をどうしようと勝手だが、みんなの釣り場だったら話は違う。

みんなの釣り場であっても、釣った魚を蹴飛ばそうが握りしめようが、自分が必要なだけおいしく食べるならいいんだ、食べるなら。人間はそういう生きものだから。

釣った魚のリリースを強制されたり、お願いされる釣り場と、されない釣り場があれば、自分はリリースを強制されたり、お願いされない釣り場へ行く。自分が釣った魚の生命の処遇を自分が決める自由とセットのほうが、釣りの面白さは深まると思ってる。

自分の場合は、自分の意思で、釣った魚のほとんどをリリースする。で、リリースするならリリースした魚が生き残る確率が高い方法でリリースした方が、人間にとって後々いい結果につながるんじゃないでしょうか、というシンプルな話です。

キャッチ・アンド・リリースそのものはけっして威張れる行為じゃないし、善行として他人へ強要するものでもなく、リリースが前提の釣りは魅力半減だということは、『フライの雑誌』誌上をふくめてあちこちで20年くらい語ってる。これとかはがんばって書きました。

20年で思いだした。つり人社さんが「日本のフライフィッシング30年史」をまとめてるみたいだけど、30年前なら自分余裕でフライフィッシングやってたし、もう『フライの雑誌』編集部でアルバイトしてた。

なんかおそろしいよう。

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6月に入ってから、あいかわらずほぼ毎日近所の川でのオイカワのフライフィッシングを堪能してます。今シーズンは同じ川の同じポイントでもうひとつ大きな楽しみとテーマが増えて、じつはうはうはしています。
フライの雑誌-第114号特集1◎ブラックバス&ブルーギルのフライフィッシング 特集2◎[Shimazaki Flies]シマザキフライズへの道1 島崎憲司郎の大仕事 籠城五年

オールドグラス、竹竿で楽しさ倍増。(バスに合うオールドタックル/トラウト以上に遊び心を楽しめる:平野貴士)

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フライの雑誌 113(2017-18冬春号): ワイド特集◎釣り人エッセイ〈次の一手〉|天国の羽舟さんに|島崎憲司郎
○〈SHIMAZAKI FLIES〉シマザキフライズ・プロジェクトの現在AMAZON
フライの雑誌-第112号 オイカワ/カワムツのフライフィッシング(2)
フライの雑誌社の単行本新刊「海フライの本3 海のフライフィッシング教書」