ものごとを深くかんがえないで男子校へ入ってしまった新入生諸君。君たちが入学してから二ヶ月がすぎた。高校生活はどうだい。
最悪に決まってる。
身の回りに女がいない、俺の高校生活はこんなはずじゃなかった、という怨嗟の声がうずまいていそうだが、そんなの男子校を選択した時点で明白だった。16やそこらの男子なんてものごとを深く考えないのが特権だ。そうだ、君がバカだったのだ。それだけのことだ。
しかしよく考えてみよう。では今まで君の人生は薔薇色だったろうか。半分、青かっただろうか。かわいい女子から下の名前で、しかも複数から同時に甘ったるく呼びかけられていただろうか。
「呼びかけられていました。」という君は今すぐここから退場してくれ。大丈夫、君はどこへ行ったって楽しくやっていける。君は違う世界の住人だ。君と話すことはなにもない。話したくもない。
そうじゃない君、男子校へ入ってしまって、もうこれで自分には一生女子とおつきあいすることはないのか、と絶望の縁に立っている君に伝えたい。君は今、人生オワタ/(^o^)\くらい思ってるだろう。
じつはこれを書いているおじさんも、ずっとむかし間違って男子校へ入ってしまったくちだ。入学してからずっと、女いねえよ、学食のおばちゃんと母ちゃんと妹としか話してねえと嘆いていた。しかしあるとき、はたと気づいた。それまでだって女子とはろくにお話ししたことがない人生だった。
君も同じだ。男子校に入っていようが共学に入っていようが、ほとんどの男子にとって情況はなんら変わらないのだ。
おそらく非モテの君は一生非モテのままだ。間違いない。芋虫はカブトムシやクワガタムシにはなれない。格差はある。あきらめろ。しかし、それでも人生は続く。生きていかなくちゃならない。
ではどうするか。
フライフィッシングがある。
フライフィッシングこそは、人生を大逆転する唯一の機会だ。幸せへのただひとつの階段だ。細くて切れない蜘蛛の糸だ。
気づいていないだけで、君の目の前にはいつでもフライフィッシングへの扉が開いている。迷わず開いてみよう。ノックはいらない。思いきって蹴破ろう。
君には若さがある。体力がある。気力もある。いまフライフィッシングに手を染めれば、JKとか学食のおばちゃんとかよけいないことに気をとられないラヴィアンローズが始まる。
男子校へ入ってしまった非モテの君がこれからの人生を面白おかしく暮らすには、フライフィッシングにのめりこむしかないんだ。
大丈夫、そういう先輩はたくさんいる。
『フライの雑誌』を読めば分かる。
みんな楽しそうだ。
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さて最後に、こういうコラムに「舐めてとんのかコラ」とマジ憤怒するナイーブな方には、わたしのつまんない文章のせいで不愉快な思いをさせて、正直スマンかったと超光速で謝ります。
右でもなく左でもなくただまっすぐにクスッとしてもらいたかっただけなんだ。
流してくれ。
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弊社は地球にやさしいをモットーに、ヒトモノカネを常にギリギリで回しているため、雑誌発売前のご予約の様子でギリギリの部数を印刷して売り切れたらごめんなさいという、ギリギリ・プリント・システム(G.P.S.)を採用しています。できれば [フライの雑誌-直送便]あるいは、お近くの販売店さん・ネット書店さんへご予約をお願いします。
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