昨日は奥日光の湯ノ湖で、次号115号特集関連でフロータントの座談会を収録してきた。七輪会の皆さん10名に協力してもらった。ちなみに湖畔レストハウスさんのソフトクリームはめちゃ美味しい。ちょっとジェラートっぽい。これを食べるのを目的に湯ノ湖へ来るかたもいらっしゃるとのこと。
湯ノ湖といえば、葛西善蔵さんが「湖畔手記」を書いた土地として、宇宙的に有名。湖畔には作中歌を写した直筆の石碑がたっている。「秋ぐみの 紅きをかめば 酸くしぶく タネあるもかなし おせいもかなし」。昭和43年建立とのこと。青森県近代文学館さんの葛西善蔵展でもこの石碑は紹介されていた。
妻子を養うこともできないのに借金かかえて愛人つくって子をはらませ奥日光にまで逃げてきて、それでもまだ酒におぼれ釣りに逃げて仕事もしない、あげくに「タネあるもかなし」とはなんだこらふざけんなと、世の中のおせいさんも奥さんも怒ってよし。
わたしは奥さんに怒られるのはちょっといやだったが、せっかくなので石碑いちおう見に行った。とくにどうということはなかった。
同じ石碑でも「河は眠らない A River Never Sleeps」とでは世の中からの扱いはけっこう違うもんだなと思った。
葛西善蔵さんのろくでなしぶりに触発されたわけではないが、明日と明後日に予定していた釣りが台風で中止になったから、その間、おもいきり仕事する所存です。
台風が来なかったら仕事しなかったのかと問われれば「是」と答えます。そもそも人生におけるプライオリティをかんがみるに、釣りと仕事とを秤にかけること自体が、無意味というかなんというかでんでん以下略。
木の上のナマケモノを地べたへ引きずり下ろしてきて、さあシャカシャカ動けと強要したってせんない相談です。草原を絹のように駆けるインパラも、木の上のナマケモノのコミュニティでは厄介者。
ナマケモノと、インパラと、それからわたし。
みんな違って、みんないい。
わたしだけはよくなさそう。
桜島をバックに決意表明でもするかな。
「おせいもかなし」とか言って。
次号第115号は10月中旬発行です。